第2章 『没頭』 第5話

まだ体が少し震えている。

これは怖かった時の震えではなく、なぜかワクワクしているようなそんな
感覚だった。

正直、本気でパトカーに追いかけられた経験は初めてである。

映画で見た事があるようなカーチェイスとまでは行かないが、何かそれに近いドキドキワクワク感を実際に体験したような感覚だ。


テル「何か面白かったかも…」

ヤス「ドキドキしたやろ!?」

テル「ちょっとな(笑)でも必死に追いかけてるくせにそんなもんかって感じやなぁ」

ヤス「あれが日本の法律に縛られた警察の限界や」

テル「限界?」

ヤス「本間にぶつけたら色々面倒くさいやろ?だからあれ以上近づけへんねん」

テル「奴らも色々大変なんやろうなぁ」

ヤス「俺らはただ撒くだけやけどな ( ̄皿 ̄)」

テル「なんか原チャの運転が上手くなっててよかったって思うわ」

ヤス「最低限の腕が無いとすぐに捕まるで」

テル「こけたら終わりやもんなぁ」

ヤス「こけたら終了や」



そう考えると、何かレースみたいにも思える。
こけるともう勝ちは無くなる。自分との精神的な戦いのようだ。


ヤス「どうする?とりあえずHAT神戸に向かうで」

テル「あいよ〜」



出発地点であったHAT神戸に戻った。きっとマサミチ達はここに戻っているはずだ。


ヤス「ああ、おるわ」

テル「本間や」

ヤス「マサミチ〜!」



マサミチ「お?あれは真島とテルか?」

阪田「たぶんそうやろ。あの音はテルのゼロチャンバーやもん」



ヤス「おったおった。お前らせっこいわ〜」

マサミチ「何がせこいねん。お前らがドンくさいから追いかけられるんじゃ」

テル「結構しつこかったで〜。全然知らん土地やしさぁ」

マサミチ「ちょっとビビッたけ!?」

テル「いや、楽しかったわ」

マサミチ「ははは。それは予想外の回答やわ」

阪田「どこまで追いかけてきとったん?」

ヤス「43まで下りて歩道スペシャル使ったったわ」

マサミチ「結構付いてきとってんなぁ。要するにお前が下手!」

ヤス「お前は本間に喧嘩売ってんなぁ」

テル「まぁまぁ。でもあの歩道スペシャルって凄いなぁ」

阪田「あんなんまだまだ基本やで〜。まだまだ色々あるわい」



ちょっとした体験ではあったが、本当に全てが初体験で時間が経つのを忘れていた。
次の日はもちろん学校であり、そんな事は全く考えてもいなかった。


ヤス「テル!もう5時やで」

テル「はぁ?5時って朝の???」

ヤス「夕方のわけないやん」

テル「うわ〜。学校行けるかなぁ…。あれ?」

ヤス「どないしたん?」

テル「家の鍵がない…」


第6話へ

第2章 『没頭』 第4話

正面に見えている道路は左にしか曲がれないはず…。

という事は道路を逆走するつもりなのか!?


テル「逆走する気か!?」

ヤス「ちゃうわ!歩道に入るんじゃ!!!」

テル「おおお!画期的な方法やなぁ♪」



歩道を右に曲がってしまえば、中央分離帯があるこの国道であればバイク以外付いて来る事ができない。


ヤス「ここまできたら焦らんでええぞ。ゆっくり歩道に入れよ」

テル「ここで転倒したらかなりドジやもんな」



歩道に入った途端、パトカーの中にいる警察の計算が狂ったようだ。


警察「あっ!?こらどこ行くんじゃ〜!!!」


ヤス「バイバ〜イ」

テル「お疲れさ〜ん」



名残惜しそうにパトカーが左に曲がっていく。
さすがに交通量の多い国道を逆走はしてこなかった。


ヤス「たぶんUターンしてくるから、そのタイミングでまた小道入るぞ」

テル「ちょうど死角になった時に姿を消す訳か!」



思った以上に理論的な所に驚いた。
何も考えずに逃げ惑うのかと思っていたら、かなり入念な計算をしているようだ。

思ったとおり、パトカーはUターンをはじめた。


ヤス「よっしゃ入るで」

テル「本間にUターンしやがった(笑)」

ヤス「あいつらワンパターンやからな」

テル「そういえばマサミチとかどこ行ったんやろ?」

ヤス「たぶん灘に戻ってるんちゃうか」

テル「じゃあ上の道経由で戻る?」

ヤス「せやな」



どっちにしても土地勘が無い場所にいても仕方がないので、地元である灘へと進行方向を変えた。

第5話へ

第2章 『没頭』 第3話

「ウ〜ウ〜〜!!!」


テル「待ち伏せ!?」

ヤス「みたいやな…。あんまこの辺詳しくないから行き止まりが怖いな」

テル「行き止まりあったら悲惨やん(汗)」



地元から離れているので、土地勘が無く非常にハイリスクである。
ここから先は勘に頼るしかない。


マサミチ「あの先で散るぞ!もし標的にされたら落ち着いて撒けよ!」

ヤス「テルは俺に付いてこいよ。マサミチ〜!俺ら左行くぞ」

マサミチ「おおわかった!」

テル「左やな…」



警察「お前らが行くところなんか分かっとんじゃ!早く止まらんかい!!!」


テル「いやいや、この状況で止まる奴なんかおらんやろ…」

ヤス「いちいちマイク使って言うからうざいねん」



かなりの大音量である。しかも言葉遣いが荒い。
いくらなんでも周辺の人が警察に対して不信感を抱くのではないだろうか…。

と、そんな事を気にしている場合ではない。


マサミチ「散るぞ!!!」

テル「ひだりぃ〜!」



六甲で練習しておいてよかったと本気で思った。
それなりに原チャの操作に慣れているので普通に曲がれたが、もし何も練習していない状態だったら曲がれてなかったかもしれない。


テル「パッツンは!?」

ヤス「こっちや!」

テル「なんでやね〜ん!!!」



運が悪かったのか、パトカーは左に曲がってテルとヤスの方へ付いてきた。


ヤス「とりあえず国道まで出るぞ!」

テル「国道!?道が広くなって大変やん…」

ヤス「ええから国道行くぞ!」



警察「お前ら下手くそな運転なくせにしつこいんじゃ!もう観念せんかぃ!」


ヤス「はい無視〜」

テル「なかなかこっちをイライラさせるのうまいなぁ…」

ヤス「もうすぐあいつらをだまらせたるわ(笑)」

テル「何か国道に秘策がありそうやん」

ヤス「当たり前やんけ」



神戸の43号線は非常に大きな国道で、片側3車線で中央分離帯もある。
普通の小道から国道に出れば、必然的に進行方向は決まってしまう。

このまま国道に行けば左にしか曲がれないが一体どうするつもりなんだろう…。


テル「ヨンサン(43号線)見えた!」

ヤス「よっしゃ!右に曲がるぞ!!!」

テル「みぎ〜!?」


第4話へ

第2章 『没頭』 第2話

マサミチ(総長)「ビビんな!しっかりケツ持ちせ〜よ!!!」


「ヴァ〜ンヴァヴァヴ〜アヴァヴァヴ〜アヴァヴァヴァ〜ヴォ〜…」


テル「こんな状況でも吹かすんか(笑)」

ヤス「ある意味それがメインやからな。とりあえず絶対パッツンを前に出すなよ!」

テル「前に出したら?」

ヤス「進路ふさがれてアウトや」

テル「それは困る(汗)」



警察「こらボケ!はよ止まらんかい!」


テル「うわ〜。口悪いなぁ…。」

ヤス「こんなもんやで」



警察「マサミチぃ!お前って分かってんねんぞ!!!」


暴走する時は写真を取られても大丈夫なようにタオルなどで顔を隠す。
しかし、一度でも捕まったことがある者は顔を隠しているので暴走をした証拠は残らないが、当然ばれている。


マサミチ「やっかましいわボケ!」


改めてパトカーを見ると中には4人ほど警察が乗っている。
カメラが常にフラッシュを焚いており、少しでも証拠になる物を残そうと必死だ。
後部座席にいる警察は窓から身を乗り出し、写真を撮ったり警棒を振り回して威嚇をしている。まるで「警察24時!」みたいだ…。


マサミチ「そろそろ撒くぞ!テル遅れんなよ!」


ヴォ〜〜〜ン!!!


一気に単車が加速を始めた。


テル「いきなりかよ!?」

ヤス「テル行くぞ!」

テル「お…おう」



大通りから徐々に小道へと入って行き、小回りが聞きにくいパトカーとの距離を徐々に広げていく。


ヤス「ここは撒き道やで」

テル「撒き道?」

ヤス「要するにパッツンを撒くための道や」

テル「確かに入り組んでるし道も狭いよな」

マサミチ「とりあえず住吉公園入るで」

ヤス「OK」

テル「いつもの所って感じ?」

ヤス「そういう事やな」



「ウ〜ウ〜〜!!!」


テル「!?」

マサミチ「あかん!待ち伏せや!!! 散って撒くぞ!」


第3話へ

第2章 『没頭』 第1話

さっきまでコンビニで他愛も無い話をしていたとは思えない。

何がどうなったらこのような展開になるんだろうか。


漫画に出てくるような単車。

初めてみる「総長」。

一緒に走っている自分…。


全く意味が分からない。


たむろしていた公園を単車と原付数台で出発し、国道に出ようとしたその時から一気に世界が変わった。


「ヴォンヴォンヴォンヴォン!!!!!」


信号は赤だ。しかもかなり大きい交差点で片側3車線。

そこに爆音の単車と原チャが滅茶苦茶なやり方で車を止めて交差点を渡る。


テル「嘘やろ…」

ヤス「テル遅れんなよ!」

テル「お…おう」



「ヴァ〜ンヴァヴァヴ〜アヴァヴァヴ〜アヴァヴァヴァ〜ヴォ〜」


ヤス「やっぱあいつうまいなぁ」

テル「うわ!これってアクセルミュージックって奴!?」

ヤス「何それ?」

テル「いや、特攻の拓(ぶっこみのたく)って漫画で見た…」

ヤス「ようわからんけど、人によって吹かし方が違うからおもろいで」

テル「何あれ?半クラとか使って音変えてんの?」

ヤス「そうそう。なかなか難しいんやで」

テル「あの手首の動きは異常やな…」

ヤス「かなり慣れてないとできへんで。すぐ手が吊りそうになるしな」



音楽をずっとやってきているのでリズム感には自信がある!

なんて言ってる場合ではないのだ。

今、自分がいわゆる「暴走」に参加している事の実感が沸かなかった。


「ウ〜ウ〜〜!!!」


テル「!?」

ヤス「来た!パッツン(パトカー)や!」

マサミチ(総長)「ビビんな!しっかりケツ持ちせ〜よ!!!」


第2話へ

第1章 『出会い』 第42話(最終話)

このけたたましい音は一体…。


テル「ん?」


前方から音の元凶と見られる単車がやってきた。

パールホワイトにファイヤーパターン、3段シートにヘッドライトの位置が高い。
そのヘッドライトには紫のバンダナが垂らしてあり、ハンドルも反り返っている。
誰がどう見ても暴走族の単車である(汗)


ヤス「やっぱ直管はええ音すんなぁ」

テル「え〜!直管って…。あの単車はマフラー付いてないん!?」

ヤス「付けてないの!」

テル「そらそうやな(笑)」



単車がこっちへ向かってきた。

初めて暴走族の単車を間近で見る!
めちゃくちゃきれいだ。しかもここまで改造しきっているとかっこいいかも…。


???「おう真島やんけ。生きとったんけ」

ヤス「悪かったのぉ。それにしても相変わらずごっついガタイしてんなぁ」

???「お前なんか片手じゃ」

ヤス「こらマサミチ〜。俺はお前を片足やぞ」



他愛もないじゃれ合いをしているのだろう。


マサミチ「あれ?隣の子は誰?」

ヤス「テルや。小学校が一緒でな。」

テル「どもども」

マサミチ「それにしても派手な原チャ乗ってるんやなぁ。紫パールて(笑)」



テルの心「その単車にまたがりながら言われても説得力ないよ…。」


テル「自分の単車の方が派手やん(笑)」

マサミチ「おお。これは先代から引き継いだもんやけどな」

ヤス「マサミチは総長やで」

テル「そうちょう!?」

マサミチ「まぁちっちゃいけどな」



まるで漫画の世界だ。
本物と出会う、いや会話するなんて夢にも思っていなかった。


マサミチ「せっかくやから今日走る時付いてきたら?」

ヤス「どこ走るん?」

マサミチ「ヨンサン(国道43号線)で大阪行って帰ってくる感じやな」

テル「走る?」

ヤス「暴走や!」

テル「おいおい…。ヤスは走り屋ちゃうんかい」

ヤス「そうや♪俺は走り屋やからどこの族にも入らん!」

テル「でも走るんかい」

ヤス「たまにはいいもんやで☆」

マサミチ「決まりやな!テルは回りの動きみながら適当に付いてきたらええわ」

テル「はぁ…」



この日を境に、大きく人生が転機を迎えた。


第1章 出会い 完

第2章 『没頭』へ

第1章 『出会い』 第41話

ヤス「どうする?テル行く?」


ヒロを目の前にして行きたくないとは言いにくいよ…。


テル「別にいいで(嘘)」

ヒロ「ほんなら付いて来いや」



はぁ〜。

えらい事になってしまった気がする。
この界隈で知らない物はいないという位の超悪軍団の集合場所に行くなんて…。


ヤス「あいつの原チャもやっぱ速いなぁ」

テル「さすが速いなぁ。相当金かけてそうやもんなぁ」

ヤス「いや、たぶん自分で買った物なんかほとんど無いはずやで」

テル「はい〜???」

ヤス「あいつが律儀に南海とか行って部品を買うと思うかぁ〜?」

テル「思わん(汗)」



まぁ色々な所から部品を盗んだりして集めているのであろう。
この前盗まれた自分のパワーフィルターもあったりして(涙)


ちょっと待てよ!

要するに原チャの部品を盗んでいる奴らと顔見知りにさえなってしまえば、
部品を盗まれる可能性は非常に低くなるのではないか?


一理あるな (・_・;)


ヒロの仲間達が集まっているHAT神戸に着いた。
海沿いの広場のような所に、明らかに普通とは思えない原チャがズラズラと
並んでいるのが見える。
その周りを囲むようにして大勢の茶髪軍団がいる…。


阪田「ヒロ〜!お前遅いんじゃ!どこ行っとってん」

ヒロ「あいつらに遭遇して連れてきたんや」



阪田とは番長のヒロ並に危険な奴で、自分も良く知っている。


阪田「なんや真島(ヤス)かぁ。こいつ足臭いねんから連れてくんなや!」

ヤス「うるさいなぁ。臭わすぞコラ」

阪田「あれ?・・・おおテルやんけ!誰かと思ったわ」

テル「おお久しぶりやなぁ。小学校卒業以来やな」

阪田「おお!また派手な原チャ乗ってるやん♪」

テル「ゼロのチャンバーがセクシーやろ☆ミ」



自分の原チャを褒められるというのは気持ちがいいものだ。
それなりに改造してきた自負はあるので、こいつらと同レベルの原チャとして見てもらえたようだ。


川崎「あれ〜?テルやんなぁ!」

テル「むむむ…。思い出せへんぞ」

川崎「そらそうやん、小学校が違うしなぁ」

テル「確かにどっかで会った事あるよなぁ」

川崎「まぁ別にええやん。ゼロチャンバーいいなぁ」

テル「なんか皆の注目の的になってんなぁ(笑)」

川崎「そらそうやん。最近出たばっかりやからなぁ♪」




ヴォンヴォンヴォンヴォン!!!!!



テル「!?」

第42話へ

第1章 『出会い』 第40話

学校が終わり、いつものようにヤスと遊びに行った。

遊ぶといっても目的など無く、ただ原チャに乗って色々な所へ行くのだ。
そして休憩、食事はコンビニ。

これが基本的な流れになっていた。


そしてこの日もいつものようにコンビニで休憩していたのだ。


ヤス「あ〜、めっちゃ寒いなぁ」

テル「本間手が痛いわ。足の指はしびれてるしな…」

ヤス「ビニール手袋結構いいで」

テル「おお!それは名案やなぁ。風通さへんもんなぁ!!!」



バイ〜ン!!!


ヤス「ん?誰やあれ?」

テル「うお。結構いじってるなぁ」



???「おっ!真島(ヤス)やんけ〜」


あれ?どっかで見た事がある顔やな…。


ヤス「なんやヒロか」

ヒロ「なんやってなんじゃい。ん???」

テル「ん???」

ヒロ「あれ、お前テルちゃうん?」

テル「あ〜!!!前田ヒロか?」

ヒロ「そうそう。何や久しぶりやの〜」

テル「小学校卒業以来か?」

ヒロ「せやなぁ。何や、最近真島とつるんどんかいな。ええ事ないで〜(笑)」

ヤス「お前うるさいねん。お前の方がよっぽどええ事無いっちゅうねん」

ヒロ「そういえばテルは中学ん時おったっけ?」

テル「俺は私学行ったからおらんで」

ヒロ「うわ!めっちゃ頭ええやん!?」

テル「あほか。そんなんちゃうわ。」

ヒロ「じゃあなおさら真島とつるんだらあかんで〜」

ヤス「だからお前うるさいねん」



このヒロという奴は学年でいえば一つ下であり、一つ下の学年の番長である。
神戸の中でも非常に有名な兄弟の末っ子であり、兄弟全てがその学年の番長をやっているとんでもない兄弟である。

このヒロの周囲にいる連中も非常に滅茶苦茶であり、界隈で連中と遭遇したら皆が敬遠するような集団なのである。

もちろん自分も敬遠していた人間の一人なのだが…。
そんな雰囲気を出すと後々面倒くさいので、ちょっと気合を入れて普通に接した。


ヒロ「おっ!テルも原チャ乗ってるんかぁ。いかついチャンバー付けとうやん!」

テル「結構いい音出るんよ♪」

ヒロ「ゼロのチャンバーやろ?結構速いみたいやなぁ」

テル「速い速い。やっぱ有名なん?」

ヒロ「有名やで。音もいいし速いしな」

ヤス「で、お前は今何しとん?」

ヒロ「あいつらがHAT神戸で待っとうから行くねん」


※HAT神戸
⇒神戸港沿いにある非常に広い高層マンションなどが立ち並ぶ地域の事。



ヤス「誰?」

ヒロ「川崎とか阪田とかおるで」

ヤス「うわ〜。相変わらずややこしいなぁ」

ヒロ「お前に言われたないわ」

テル「阪田ってあの阪田?」

ヤス「そうそう。相変わらずやで」



阪田はヒロの右腕のような奴で、切れるとヒロでも止められないほど危険な奴だ。
普段はめちゃくちゃ温厚なのだが、どこかでスイッチが入ると一気に変貌するのだ。
ある意味、扱いが一番難しい人間と言えるだろう。


ヒロ「あれ?川崎の事は知らんかったっけ?」

ヤス「おいおい知ってるやろ〜!?」

テル「知らんなぁ…。」



聞いたことはあるが、実際には見たことが無いような気がする。


ヒロ「せっかくやから付いて来いや」

テル「え?」


第41話へ

第1章 『出会い』 第39話

目の前に神戸から大阪が広がり、この日は空気が澄んでいて和歌山まで見える。


真美「ありえへん!!!やばい、本間にきれいや☆ミ」

テル「おお!今日は和歌山まで見えるなぁ」

真美「えっ?あそこって和歌山なん?」

テル「そうやで。ほら、海岸の形みたら日本地図で見た通りやろ?」

真美「日本地図って正しいねんなぁ(笑)」

テル「俺もこないだ思った(爆)」

真美「って事は、あそこが大阪でその先やから…」

テル「その先やから?」

真美「和歌山や〜!!!」

テル「やろ!?」

真美「家の近くにこんな凄い所あってんなぁ」

テル「俺なんか家から5分やぞ」

真美「こうやってみたら、山と海の間が狭いなぁ」

テル「本間それな。このまま海の方に原チャで行ったら10分で着くで」

真美「近!」

テル「それが神戸や」

真美「なんか叫びたくなるね」

テル「おお(笑)ヤスなんかいっつも叫んどうで♪」

真美「そうなん?何て叫んでんの?」

テル「おと〜ん! ごめんな〜〜〜!!!」

真美「(ノ∇≦*)キャハッッッ♪」

テル「本間やで!何を謝ってるんかは本人も分からんらしいけどな(爆)」

真美「じゃああたしも何か叫ぼっかな!」

テル「おっしゃ、今は人おらんからいけるぞ!」

真美「バカヤロ〜〜!!」

テル「何に?」

真美「色々♪」

テル「あぁ怖い怖い…」

真美「やっぱり山は寒いね…。そろそろ降りよ」

テル「そうやな。降りるか」



なんとか機嫌を取り戻せたようだ。
ちょっと肩の荷が下りた気分で六甲山を降りた。

その次の日、ヤスとの出会いに匹敵するほどの出会いが待っているとは当然
テルは知らなかった。

この出会いが無ければ良い意味でも悪い意味でも今の自分は存在していない。

第40話へ

第1章 『出会い』 第38話

テル「怒ってるかなぁ…」

普通に考えれば別れ話にまで発展してもおかしくない。
それほどまでに連絡も少なく、とにかく原チャに夢中だったのだ。

電話をしてからだと拒否される可能性もあるので、家にいる事を願ってとにかく真美の家へと急いだ。

そして家の前。


テル(電話)「おっす!今どこにおる???」

真美(電話)「ちょっと〜!全然連絡無かったけど何してたんよ(怒)」

テル「いやいや、ヤスと六甲行ったりして色々忙しくてな…」

真美「このまま連絡してこ〜へんかと思ったわ!」

テル「そんな訳ないやん♪って今家の前やで(笑)」

真美「うそ〜!!!」



真美の部屋の窓が開いた。


真美「本間におるし(爆)」


ガチャッ!


真美が家から出てきた。


テル「早く用意してや〜」

真美「はい〜?どこに行くん?」

テル「六甲の夜景!!!行った事ある?」

真美「無い無い!!!ちょっと待っててよ」



ここで何回も行った事があると言われていたらちょっとガッカリだったが、初めて行くようなので安心した。

きっと驚くだろう ( ̄m ̄* )♪


真美「オッケ〜!!!」

テル「あかんあかん。そんなんじゃ寒いからもっと厚着しておいでよ」

真美「そっかぁ。山やから寒いよね…」

テル「そういう事だ」



ダウンジャケットを羽織って真美が出てきた。


テル「おっしゃ行くぞ〜」

真美「レッツゴ〜♪」



もちろん原チャ2人乗りである。(良い子は真似しないで下さいね)


真美「うわぁ、結構冷えてるね〜」

テル「スピードが出るとかなり寒く感じるやろ〜」

真美「でも前にパトカーに追いかけられた以来乗ってないもんね〜」

テル「マフラーも変えたし色々変わったよ」

真美「結構音大きくない???」

テル「ええ音鳴ってるやろ v(。・・。)」

真美「男の子ってこういうの好きよね…」



たぶん普通の男の子はやらないけどね…。

というのは心で思っただけだが、一応マフラーなどの改造は認めてくれたようだ。


テル「よっしゃ!ここから六甲入るで〜」

真美「行け行け〜♪」



今回は真美を後ろに乗せているからあまり攻めれないな。

それにしても二人乗りだと全然上らない…。


テル「うお〜!全然スピード出んなぁ…」

真美「何よ!私が重いって言いたいん!?」

テル「ちゃうって(汗)一人でも上らんから二人やと限界みたいやなぁって」

真美「まぁ確かにすんごい遅いけどさぁ」



ちょっとした小競り合いもあったが、ようやく目的の展望台にたどり着いた。


テル「あっこからが一番良く見えるで!」

真美「うわぁ、めっちゃ見えそうやなぁ☆ミ」



さぁ待ちに待った感動の瞬間!!!


真美「キャ〜!!!!!」

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