第2章 『没頭』 第15話

また久しぶりの電話だ…。久しぶりの電話でわがままなお願いをするというのも少し気が引けるが(汗)

真美「はいはい?」

テル「今電話大丈夫かぁ?」

真美「大丈夫やで〜」

テル「今日さぁ、色々あって学校の近くのヤンキーに木刀でやられてさぁ」

真美「えええ〜!!!大丈夫なん???」

テル「あいつら木刀折れるまで殴りやがってさぁ〜。激痛やわ」

真美「とりあえず病院行かなあかんやんかぁ」

テル「いや病院は別にええわ。全身ミミズ腫れになってるだけやし」

真美「だけって言ってもさぁ…」

テル「それとな、原チャも壊れて大変なんよ」

真美「あれ、今どこにいるの?」

テル「今は芦屋におるで。原チャは取りあえず車に乗せたんやけど〜」

真美「それで?」

テル「真美の家に原チャをちょっと間だけ置かせてほしいんよ」

真美「う〜ん、ちょっと待って聞いてみる」

テル「わりいなぁ」



真美の家で直すのはいいが、本当に直るのかも疑問だ。
今の時点でさっぱり原因が分からないし、エンジンを掛けると大変な事になっているのだから住宅街でエンジンを掛けるとなると…。

テル「本間に直せるんかなぁ?」

ヤス「二人でやったら何とでもなるやろ〜」

テル「でもエンジンを掛けると大変な事になるんやで」

ヤス「どんな感じなん?」

テル「要するに直管でアクセル全開状態」

ヤス「なんでそうなるん?」

テル「俺が聞きたいわぃ」



真美「別にいいって♪」

テル「マジで!?じゃあ今から持っていくからよろしく!」

真美「どれくらいで着きそう?」

テル「たぶん30分くらいやと思うで」

真美「分かった待ってる」

テル「じゃあ着いたらまた電話するわ」



ヤス「OK?」

テル「OK!」

ケン「じゃあとりあえず神戸方面向かうで〜」

テル「お願いしまっす!」



そして移動中にリベンジの作戦会議を開いた。


ヤス「取りあえず顔とか見られたら面倒臭い事になるから、フルフェイスやな」

テル「でも自分のメットやったら足が着くんちゃう?」

ヤス「もちろん新たにメットは調達するで」

テル「出た〜。何でも調達するなぁ」

ヤス「で、服は普段着てない奴がいいな」

テル「着てない奴なぁ…。まともな奴無いで」

ヤス「じゃあええわ。俺が昔着とったジャージでええわ」

テル「じゃあそれにするわ」



ケン「どこら辺?」

テル「春日野の近くっす!」

ケン「じゃあここら辺から上(北)に上がるで〜」

テル「そうっすね!」



リベンジまであと6時間…。


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第2章 『没頭』 第14話

プルルルル…。


ヤス「あっケン君から電話や。お疲れ様っす!!!」

ケン「今芦屋に入ったけどどの辺?」

ヤス「2号線沿いの南側にマクドがあるんすけど、その前にいます」

ケン「ああ見えたわ。Uターンするからちょっと待っとってやぁ」

ヤス「ういっす!お願いしまっす!!!」


※ケンさんの電話での会話は想像です…。


テル「もう着いたんや…」

ヤス「たぶん外におったんちゃうかぁ」

テル「お前と違って信号は守ってるやろうしなぁ」

ヤス「アホか。俺だって車に乗ったら信号は守るっちゅうねん」

テル「車に乗ってる時点でアウトやんけ」

ヤス「言っとくけど車の運転うまいで」

テル「そういう問題ちゃうって(笑)」



ヤスと会話しているとついつい当たり前のような気がしてくるが、冷静に考えると常識ハズレな会話が多い。


ププッ♪


ケン「うい〜!」

ヤス「おつかれっす〜!」

テル「わざわざありがとうございます!!!」

ケン「おうおう。で、原チャはそれか?」

テル「はい!」

ケン「積み込む様の足場とか無いから、2人で車に持ち上げよか」

ヤス「車の高さ足りますかねぇ?」

ケン「せやなぁ。ちょっと微妙かもしれへんなぁ」

ヤス「ななめで固定するのも難しいっすよねぇ」

ケン「じゃあ寝かして入れるか!?」

テル「全然OKっすよ!積んでもらえるだけで大満足っす!」

ケン「おっしゃ。ヤスそっち持って」

ヤス「ういっす!」



2人で軽々と原チャを持ち上げ、車に積み込む。


ケン「なんか原チャを盗んでるみたいやなぁ(笑)」

テル「大分不自然な光景っすよね(爆)」

ヤス「まぁ持ち主がここにおるから大丈夫やろ」

ケン「大丈夫なんは当たり前やねんけど…」

ヤス「テル?とりあえず原チャどこに持ってく?」

テル「家に持って帰っても工具ないしなぁ…」

ヤス「そういえば真美のおっちゃんが工具セット持ってたんちゃう?」

テル「言われて見れば…。ちょうど車庫もあるしなぁ」

ヤス「とりあえず置かせてもらったらええやん。でリベンジ後に直す!」

テル「じゃあちょっと聞いてみるわ」



リベンジまであと7時間…。


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第2章 『没頭』 第13話

テル「車に積むってそんなんできるん?」

ヤス「たぶんケンさんのデリカやったら積めるで」

テル「ケンさん?」

ヤス「中学の時の先輩やねんけど、めっちゃいい人でなぁ」

テル「確かに持って帰れるなら最高やけど〜」

ヤス「じゃあちょっと頼んでみるかぁ」



車に積んで帰るなんて全く想像していなかった。
半分あきらめていたが、もし持って帰れるなら何とか自分で直せそうだ。


ヤス「ちょうど今は時間があるから来てくれるってさ」

テル「うそ〜!めっちゃ感謝やなぁ」

ヤス「やっぱケンさんはいい人やなぁ」

テル「まだ会った事ないけどいい人やなぁ☆」

ヤス「とりあえず原チャは何とかなるけど、そっからどないするん?」

テル「リベンジ!」

ヤス「しばく?」

テル「いや、それよりも精神的に攻撃しようぜ」

ヤス「精神的に?」

テル「あいつらの原チャを破壊!!!」

ヤス「ははは!それ楽しそうやん♪」

テル「かなりきれいに乗ってそうやったから精神的ダメージでかいやろ」

ヤス「おぬしも悪よのう」

テル「はっはッは〜」



自慢のチャンバーを盗まれた上に、意味も無く木刀でボコボコにされたのだ。
顔は普通にしていても、心の中は激怒している。

テル「学校の連れのマサって奴も一緒にやられてんけどさぁ」

ヤス「そうなん!?その子は大丈夫なん???」

テル「あいつは金属バットでやられたからかなり痛そうやったで」

ヤス「バットは痛いなぁ。で、今どこにおるん?」

テル「とりあえず家に帰ったけど、リベンジする時は呼べってさ」

ヤス「そりゃそうやわなぁ。神戸に原チャ置いたら呼べばええやん」

テル「おお。もちろん呼ぶで」



徐々にリベンジ計画が立ってきた。


テル「結構夜遅くに行った方がいいよなぁ」

ヤス「そらそうやろ。結構派手な音するし、人が通ると面倒くさいで」

テル「じゃあ決行は夜の2時くらい?」

ヤス「せやな」



リベンジまであと8時間。

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第2章 『没頭』 第12話

エンジンをかける訳にはいかないので、とりあえず国道まで原チャを押して
ひたすら歩き続けた。

ヤスの事なので、神戸から芦屋まで20分ほどで到着するはずだ。


マサ「俺はとりあえず家に帰るけど、勝手にリベンジ開始すんなよ!」

テル「分かってるって〜。ちゃんと連絡するわぃ」



マサはとりあえず電車で家に帰り、リベンジ開始まで出動準備をするようだ。

それはそうと、この原チャをどこに置いておこうか…。
下手な所に置いてしまうと、また同じように部品を盗られてしまう可能性が
あるし…。

頭で色々考えながら歩いていると携帯電話が鳴った。


ヤス「どの辺や〜???」

テル「そっちこそどこにおるん?」

ヤス「よう分からんけど、ラーメン屋がいっぱいあるなぁ」

テル「何となく分かるわ。とりあえずもうちょっと進んだらマクドあるから」

ヤス「マクドに行ったらええんか?」

テル「そうそう!俺ももうすぐ着くから」

ヤス「あいよ」



テルがマクドに着いた時にはすでにヤスは到着していた。


ヤス「おっそいの〜」

テル「ちゃうわ、お前が速すぎるんじゃ」

ヤス「しゃあないやん、信号が全部青やってんから」

テル「ありえへんし…。元々信号なんか関係ないんやろ〜」

ヤス「誰も俺を止める事はできへん!」

テル「はいはい…」

ヤス「とりあえずケツ乗れや…って原チャどうするん???」

テル「それがネックやねんよなぁ」

ヤス「バイク屋で預かってくれへんかなぁ?」

テル「そんな都合いい所ないやろ〜」

ヤス「せやなぁ。じゃあ車に積んで持ってかえるか!」

テル「はい〜?????」



また何か意味不明な発言が出た…。

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第2章 『没頭』 第11話

エンジンを切り、少しの間沈黙が続く。


ヤンキー「何でこんな風になったん?」

テル「俺が聞きたいんやって」

ヤンキー「家どこなん?」

テル「灘」

ヤンキー「そこまでどうやって帰る気?」

テル「とりあえず原チャはどっかにおいといて、連れに迎えに来てもらうわ」



何か普通に会話しているが、先ほどはこいつらに意味も無く暴行されていた訳で…。
しかも相手はこちらの事情を知り、暴行する意味は無かったという事も理解できた訳であり…。


考えれば考えるほどむかついてくる (▼O▼メ)
と思い、マサの方を見てみると本気で切れる寸前!

とりあえずこの場を立ち去らなければ!と思い、


テル「じゃあ俺ら行くわ。マサ行くで〜」

マサ「おう…」




テル「あかん、めっちゃ体が痛い…。全身打撲やでこれ」

マサ「俺なんか金属バットやぞ。しかも背骨に思いっきり入ったしなぁ」



20mほど歩いた所にあるマンションの一階を見るとめちゃめちゃ派手なZXが2台、堂々と置いてあった。


テル「あれはあいつらのZXやろうなぁ。それにしても派手やな…」

マサ「本間に切れそうや」

テル「まぁとりあえず今は素直に帰ろうや。後でなんとでも… ん!?」



見逃さなかった!

奴らのZXの裏に、見覚えのある紫色がチラッと目に入ったのだ。


テル「あれって俺のゼロチャンバーちゃうか!?」

マサ「どれやねん?」



持ち主だからこそ気づいたほんの少しのヒントだった。


テル「あれは間違いないわ」

マサ「嘘やん!って事はパクッたんはあいつらって事か!!!」

テル「あいつらも下手打ったなぁ。もっとしっかり隠せばよかったのに」

マサ「何でそんなに冷静やねん!あかんわ、本間にあいつらしばく!!!」

テル「( ▽メ)\( ̄ ̄*) まあまあ〜」



なんとかマサを押さえ込む。


テル「今は制服やし色んな人に目撃されてるからとりあえず退散せなあかん」

マサ「ぬお〜!!!イライラする…」

テル「とりあえずヤスに迎えに来てもらって俺は帰るから、リベンジはまた今度や」

マサ「一人でも殴りこむで」

テル「あかんって(笑)二度と調子乗れんくらいのリベンジやったるから」



とりあえずヤスに電話して迎えに来てもらおう。


テル「ヤス〜?あのさぁチャンバーパクられたり木刀で殴られたり大変なんよ〜」

ヤス「はぁ?何じゃそれ」

テル「俺も意味不明やねんけどさぁ、パクッた本人がいきなり襲ってきてなぁ」

ヤス「あれ?ゼロチャンバーをパクられたって事やんなぁ!!!」

テル「そういう事」

ヤス「殺す!!!今どこにおんねん!!!!!!!!!」

テル「今は芦屋やで。とりあえずそないに興奮せんと落ち着いて迎えに来てや」

ヤス「まぁとりあえず行くわ!」



マサ「あいつらも終わりやな。想像以上のリベンジが待ってるとは思わんやろ」

テル「まぁ少しの間だけやけど平和な時間を過ごしといてもらおっか( ̄皿 ̄)」



リベンジまであと10時間。

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第2章 『没頭』 第10話

マサ「めっちゃ直管やんけ…」

テル「おお。チャンバーが盗まれてるなぁ」

マサ「なんでエンジンが勝手に回るん?」

テル「俺が聞きたいわい」


チャンバーは盗まれているしエンジンは勝手に回り始めるしどうしたら良いか全くわからずただ呆然と立ち尽くしていた。

すると突然!


「コルァ〜!!!お前ら何調子乗ってエンジン吹かしとんじゃい!!!」


テル&マサ「!?」


地元?のヤンキー2人が金属バットと木刀片手にこっちに向かって歩いてくる。
片方は背が高く明らかにヤンキーの顔、もう片方は少しヒョロッとしていて背が低い。


どうやら勝手にエンジンがかかってしまっている状況を知らず、エンジンを意識的に吹かしていると勘違いしているようだ。
しかも今はチャンバーを盗まれており、音も爆音だから余計だろう。


テル「ちゃうねん、チャンバー盗まれててなんかエンジンかけたら勝手に…」


と説明している最中に、いきなり木刀で顔面に向かって殴りかかってきた。


テル「ぬおっ!」

ヤンキー「ごちゃごちゃゆうとったら殺すぞ!」


全く何を言っても耳に入らない様子で、とにかく木刀で本気で殴ってくる。
こっちもいきなりの出来事に反撃する余裕すらない。


マサ「いって〜!!!」


あいつは金属バットで殴られている。
俺は木刀やしちょっとマシかな…。


どれくらい時間が経っただろうか、かなり長い時間殴られていた。
小学校の前という事もあり、周りの目はとても怯えた様子でその場から急いで立ち去る。
しかも今は制服を着ているので、下手に手を出して問題になると退学させられる可能性があるので我慢するしかない。


「ボキッ!!!」


木刀が折れた。

普通に考えて、木刀が折れるまで殴り続けるなんてひどい話である。

木刀が使えなくなったので次は素手で殴りかかろうとしてきた。
とりあえずパンチをかわし、


テル「エンジンかけたら勝手に走り出すんじゃ!!!」


と大声で叫んでみた。


ヤンキー「はぁ?意味わからん事言うなボケ!」

テル「こっちだって意味分からんのじゃ!やってみたら分かるわ!!!」



とりあえず我慢も限界にきていた。
マサもかなり我慢しているようだが、流石に顔色が変わってきていたのでそろそろ手を打たないと大問題に発展してしまう。

運良くヤンキーがこっちの話しをようやく掴み、原チャのエンジンをかけてみようという流れになってくれた。


ヤンキー「じゃあエンジンかけてみろや」

テル「おお」



かなり不機嫌だったが、とりあえずエンジンをかけてやった。


原チャ「バイ〜ン!!!」


ヤンキー「うわっ!?本間や、何じゃこれ?」

テル「だから言ったやんけ」


第11話へ

第2章 『没頭』 第9話

信号に引っかかり、原チャの得意技である側道すり抜けをして前へと出る。
1台抜いて2台抜き、3台目を抜いた時に見覚えのある車が目の前に ( ̄0 ̄;アッ


テル「あかん!数学の前田の車や!!!」


ヘルメットはフルフェイスではない。
しかも制服を着ているのでサイドミラーで確認されるとすぐにばれる。

変な動きをしすぎると確認される可能性があるので、そ〜っと後ろへ下がる。


テル「気づくなよ〜」


そうこうしているうちに信号が青になった。


テル「危なかった〜。やっぱり学校が近くなったら危険やなぁ」


せめて私服であればよかったのだが、制服を着ているので非常に目立つ。
次からは少し対策が必要だ。

とにかく裏道を通って学校まで徒歩5分ほどの住宅地に原チャを止める。
盗難が心配だが、芦屋は比較的治安も良いだろうと勝手に決めつけてみる。
目の前に小学校もあるし、人通りもそこそこ多いから大丈夫だろう。


とりあえず足早に学校へと急ぎ、先ほど見つかりそうになった数学の前田の車をわき目に教室へと急ぐ。


マサ「おおお。ギリギリやんけ〜」

テル「うぉ!珍しいやん、今日は社長出勤ちゃうんかいな」

マサ「おお珍しいやろ(笑)たまにはええもんやで」



マサは俺が原チャに乗り始めた頃から急に仲良くなった連れで、なぜか異常に気が合うので最近は一番よく一緒にいる。

マサは原チャに乗らないが、クラブでのパーティを主催したり色々なイベントを企画したりしている。
自分とは違う路線ではあるが、やはり明らかな校則違反をしている仲間だ(笑)


テル「今日は原チャで来たった」

マサ「嘘やん!どこに止めたん?」

テル「小学校の近く」

マサ「あの辺やったら大丈夫やろ」

テル「俺もそう思ってな」

マサ「じゃあ帰りは駅まで送ってや」

テル「おっしゃ、落ちんように頼むで(笑)」

マサ「お前の運転めっちゃ怖いからなぁ〜」

テル「あれでも一応気を使ってんねんで」

マサ「ありえへん…」



同級生「昨日の夜めっちゃうるさかったよなぁ」

テル「あれ?家どのへんやったっけ?」

同級生「住吉らへん」

テル「うしし。その中に俺おったわ」

同級生「えええ!本間に言ってるん?」

テル「おお。なかなか面白いもんやで」

同級生「お前はどんな世界に住んでんねん」



確かに、普通の高校生からすれば全然想像ができないような世界である。
少し前まで自分もそうだったのだ。

考えて見ると、マサのように免疫が付いている奴には話してもいいだろうが
他の普通の高校生には話さないほうが無難のようだ。


寝不足なので、授業中はほとんど意識がなかった…。
あっという間に一日が終わり、マサと一緒に原チャへ向かう。


テル「おったおった!」

マサ「相変わらず派手やなぁ」

テル「かっこいいと言え!」

マサ「はいはい」

テル「そういえばまだチャンバーの音聞いてないやろ!?」

マサ「俺が見たときは付いてなかったかなぁ」

テル「まぁ耳をこらして聞いてみ」



キュルキュル…


原チャ「バイ〜〜〜ン!!!」


アクセル全開状態でエンジンがかかる。
しかもマフラーが無い直管の状態の音だ!!!


テル「???」

マサ「うおっ!なんじゃこれ、めっちゃうるさいぞ」

テル「( ̄△ ̄;)エッ・・?」



慌ててエンジンを切る。


テル「あれ?チャンバー付いてへんやん…」

マサ「なんでいきなりタイヤが回りだしたん?」

テル「いや、分からんけどチャンバーも無いし…」



頭がパニック状態だ。


テル「とりあえずもう一回エンジンかけてみよか」


キュルキュル…


原チャ「バイ〜〜〜ン!!!」

マサ「あかんあかんエンジン止めろ!」


一体何が起こってるんだ…。

第10話へ

第2章 『没頭』 第8話

ガチャッ!


父「何をやっとったんじゃ〜!!!」


テル「!?」


予想外だ。

ある程度怒られるのは仕方無いとはいえ、玄関に入った途端に怒鳴られるとは全く予想していなかった…。

あまりに突然の攻撃に言葉が出てこない。


テル「いや、家に戻ってきたんやけどさぁ…」

父「戻ってきたぁ?今戻ってきたやんけ」

テル「いや、鍵を忘れて入れんかったんよ」

父「あほか!根本的にみんなが起きてる時間帯に帰ってきてないからやろ!」



ごもっとも。


テル「まぁそうやけど…」

父「で、夜中どこにおったんや」

テル「とりあえずヤスの家で寝た」

父「じゃあ学校行くんやな!?」

テル「ああ、今から行くよ」



予想外の展開に多少戸惑ったものの、なんとかその場をやり過ごせたようだ。

ただ思った以上に時間が経っていたらしく、電車で行くととても間に合わない…


となると原チャで行くしかないか。

学校の近くの住宅街に隠しておけば何とかなるだろう。


テル「行ってきまっさ」

父「おう」



制服で原チャに乗るのは慣れているとはいえ、さすがに学校に行くとなると色々と作戦を立てないとハイリスクだ。

意外と先生と遭遇する可能性が高いから、とりあえず普通は通らないような道を選びながら行くしかない。


とりあえず国道で学校の近くまで行き、そこから住宅街へと入り込む。
全く通ったことが無い場所だが、勘を頼りに進んでいく。


テル「あ!」


同じ学校の生徒を発見。
そろそろ学校が近くなってきたようだ。


という事は、先生も出没する可能性があるから気を付けないと…。


こういう時に原チャの音が静かだったらとつくづく思う。
音が大きいのでかなりの確率で見られる。

ちょっとスピードを落として大人しく走ろう…。
早いスピードで走っていても目立つから、とりあえずゆっくり走るだけでも
しないとばれそうだ。


信号に引っかかり、原チャの得意技である側道すり抜けをして前へと出る。
1台抜いて2台抜き、3台目を抜いた時に見覚えのある車が目の前に ( ̄0 ̄;アッ


テル「あかん!数学の前田の車や!!!」

第9話へ

第2章 『没頭』 第7話

テル「えらいこっちゃ…」


警察との攻防で思った以上に体が疲れている。
とりあえず仮眠でもしなければ。

さっき登った壁を下り、とりあえず原チャを押して家から離れる。


さぁどうしようか。


とりあえずヤスに電話してみるか…


ヤス「はいよ〜」

テル「締まっとった」

ヤス「はぁ?もしかして家なき子(爆)」

テル「例えが古いんじゃ。とりあえず今どこにおるん?」

ヤス「もう家着いたで」

テル「うわ!めっちゃ速いし…」

ヤス「明け方は車おらんから信号は全部青に見える!」

テル「いやいや赤も見えるやろ」

ヤス「俺の中では青やねんって。で、どないすんの?」

テル「どないしよ…」

ヤス「じゃあとりあえず家来たら?」

テル「そうやなぁ…」

ヤス「家の前来たらまた電話して」

テル「はいよ」



あと2時間くらいで登校なのに何をやってるんだろうか。
まぁこんな日もあっていいかな。

5分ほどでヤスの家に付き、ヤスの家に入った。


テル「!?」

ヤス「おっ、早いやん」

テル「いやいや、それよりも…」

ヤス「え?こいつか?」

テル「うんうん・・・」

ヤス「美香。こないだ知り合ってな」

美香「どうも…」

テル「いつの間にお前は…」



最近はかなり一緒にいる時間が多いはずだが、全く知らない所でいつの間にか彼女?を作っていた。
しかもあの短時間で家に呼んでいる事が誠に不可解だ。


テル「とりあえず仮眠するわぁ」

ヤス「俺らも多分寝てるから勝手に出ていってええで」

テル「起きれたらな ・・・(ノ_< ;)」



そういえばまた真美ちゃんに連絡できてないなぁ。
気持ちが減った訳じゃないが、最近の日々の刺激が強すぎてどうしても連絡を取る余裕が無い。


このままやと…。


あかんあかん!!!

それだけは絶対にあかん!!!!!


頭で考えていると全然寝付けず、結局家族が起きている時間になってしまった。


テル「そろそろ帰ってみるわ」

ヤス「…」

テル「あら寝てるんかいな」



そ〜っとヤスの家を出て、自分の家へと向かった。
朝の日差しがまぶしく、寝ていない自分には結構辛いものがある。


テル「ε〜( ̄、 ̄;)ゞふぅ。やっと家に着いたかぁ」


余裕な表情をあえて作り、玄関から堂々と入ってみる。


ガチャッ!


父「何をやっとったんじゃ〜!!!」

第8話へ

第2章 『没頭』 第6話

ヤス「どないしたん?」

テル「家の鍵がない…」

ヤス「鍵がないってどっかで落としたんか?」

テル「いや、落とす事は無いと思う」

ヤス「じゃあ普通に忘れてきたん?」

テル「たぶん…」

ヤス「ほなどないするん?」

テル「何とかして家に入る!」

ヤス「本間に入れるんか?」

テル「たぶん俺の部屋の窓の鍵が開いてるはずやし」

ヤス「じゃあ大丈夫やな」

テル「どうしようも無くなったら電話するわ(笑)」

ヤス「じゃあ着信拒否しとくわ」

テル「なんでやねん(笑)拒否する意味が分からんわ」

ヤス「あえて路頭に迷わそっかなと…」

テル「おいおい」

ヤス「まぁええわ、とりあえずもう帰るやろ?」

テル「せやなぁ。1時間だけでも寝たいし」

ヤス「そっか。じゃあまたな」

テル「おうまたな。みんなによろしく」



マサミチ「あれ?テルもう帰るん?」

テル「おお。今日学校あるしな」

マサミチ「そっか学生やねんなぁ…。忘れとったわ」

テル「そういう事やな(笑)じゃあまたな」

マサミチ「おうまたな」



みんなと別れた後、部屋の鍵が開いていることを願って急いで家に戻った。

原チャの音が大きいため、あえて家の遠くでエンジンを切り、歩いて近づく。
そっと原チャのスタンドを立て、音を立てないように家の壁をよじ登る。

テル「開いといてくれよ〜」

窓に手をかけ、願いを込めて窓を開ける。


開かない…。


テル「うわ〜。なんで締まってんねん」


部屋を出るときは間違いなく開いていたので、きっと鍵が開いている事に気が付いた誰かが締めたのだろう。


テル「えらいこっちゃ…」


警察との攻防で思った以上に体が疲れている。
とりあえず仮眠でもしなければ。

第7話へ


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