第1章 『出会い』 第2話

恐怖を断ち切り、思い切ってアクセルをひねった。


テル(心の中)「うわっ!?」


すごい!すごいすごい!

原チャにぐいぐいと体を引っ張られ、どんどん前に進んでいく!

テル「お〜〜〜♪」

これぞまさに快感☆体験したことの無い加速感が自分の体を刺激した。
世の中にこんなにすごい物があるなんて!

原チャに初めて乗る際、思い切ってアクセルを開けすぎてウイリーしてしまい、見事に転倒してしまう事があるが、その時はたまたま上半身を前のめりにしながらアクセルをひねったのでそうはならなかったようだ。


まさに感動の瞬間であった。
原チャをまさるに返した後、少しのあいだ体の震えが止まらなかった。

その後、友人のりゅうとお互いに原チャが欲しくなったのは当然の心境である。

家がお金持ちなりゅうは早速、


りゅう「俺も原チャ買う!これと同じやつ!」


テル「出た〜!本間市民の敵やなお前!でもその前に免許取らなあかんよなぁ?」


まさる「当たり前やん(笑)」


りゅう「うそ〜!そんなんいるん!?。じゃあまさるは免許取ったん?」

あきれるほどのバカっぷりを見せ付けてくれた。(毎度の事)
免許を取ってなかったら堂々と乗ってこないでしょうが!

バカみたいな会話が続き、りゅうと自分はとりあえず免許を取る決心をしたのだ。

しかしここで問題がある。

当然だがまずは学校。
もちろん校則違反。まぁこれは隠せばなんとかなるかな。(教師の方ごめんちゃい)

次が一番の問題…。そう。親である。


免許を取りたいと言った時の親の反応を想像することができなかったので、
話を切り出す事に結構緊張した。


テル「お父さん。原チャの免許ほしいねんけど。」

父「原チャってお前、学校は取ってもいいんかいな?」

テル「そらあかんに決まってるやん」

父「そんなに堂々と言われてもなぁ…。」

テル「りゅうも取るし今みんな乗ってるねんで!バイト代で免許取るからさぁ!」

父「免許は取れてもバイクが無いやんか」

テル「う〜ん。」


もちろん買って欲しいのだ。かと言って、買ってくれと言える値段じゃないのも事実。


テル「バイト代で毎月払うから…」

そう。必殺☆親ローンを間接的に依頼した。


父「本間に払えるんかぁ???」

テル「払うって!」


内心では俺の勝ちだと思った瞬間だった。ここまで来たらなんとかなりそうな雰囲気!
とりあえず一度バイク屋に見に行ってみようという話しでその日は終了した。


1週間後、バイク屋に親と中古のスクーターを見に行った。
デザイン、メーカーを考えると候補は一つしかなかった。
まさるが乗っていた『ホンダ LiveDio−ZX』である。

しかしこれが一番高い…。
かと言って妥協もしたくない。
こういう時に父も気に入ってくれたら話しは進みやすいのだが…。
深く悩んでいる振りをして腕を組みながら状況を見守った。


色々な車種を見比べて(?)15分ほど経過…。


父「ZXが一番良さそうやのぉ。」


待ってましたその一声!


テル「やんな〜♪ 前乗ったんもこれやねん!めっちゃ良かったで☆ミ」

ここぞとばかりに猛プッシュ!でも顔は真剣さをアピール。


テルの心「店のおっちゃんも何かフォローしてくれや〜!」


店長「…。」


テルの心「お〜い?商売する気あるんかぁ〜!?何かフォロー入れてや!」


という目線でおっちゃんを見ていたら、


店長「これが一番売れてますね。」


テルの心「よ〜し上出来!おっちゃんナイスファイト♪ 今月のMVPあげる!」


父「確かにこれが一番売れると思うわ。」


テルの心「いやいやそんな分析はええから買ってくれるの? どっち?」


少しの時間だったが、次の一言までの時間が長く感じられた。

父が発した一言は…

第3話へ

第1章 『出会い』  第1話

母「ちょっとあんたいつまで寝てんの!?」

またいつもの朝が始まった。
当時、思春期真っ只中の16歳である主人公・テルは本当に朝が嫌いだった。

テル「うるさいな〜!もう起きてるって!」

当時はもちろん反抗期。素直に今起きたなんて言わない。

学校まではおよそ50分。電車通学で女子高生も大勢乗っている。
どれだけ遅刻しそうになろうが髪形だけは最優先。
寝癖が付いたまま電車に乗ることは拷問であった。


中学時代はJリーグ全盛期であり、その流行に見事に乗ってサッカー部に入部。
しかし中学サッカーから高校サッカーに切り替わる時期に退部した。

当時の私は「スケボー」に夢中になっていたのだ。

「ガチャッ」

スケボーに乗り、スケボーが入るカバンを肩にかけて坂を下っていく。
これがいつもの通学スタイルだ。

「ゴォ〜!」

という爆音を立てながら駅まで滑走していくのだ。

ライバルは通勤自転車(笑) 自転車には絶対に負けたくない。
そのくらいスピードを出しても平気なほど、スケボーが上手かった。

大会で優勝して本気でスポンサーを付けたいと思っていたほど、スケボーは当時の私の
頭の中の8割以上を占めていた。

そんないつもと同じ日常に突然『ターニングポイント』がやってきたのだ。

いつものように遅刻寸前で学校に行き、いつものように授業中に漫画を読んで
学校が終わる。

そして待ちに待ったスケボーの時間が始まる!


学校帰りにいつもの仲間といつもの広い公園でスケボーの練習をするため、
私はその広い公園へ 友人「りゅう」と二人で向かった。


りゅう「そういえばまさるがゲンチャ買ったらしいで!」

テル「ゲンチャ?」



突然ゲンチャと言われ、何のことだかわからなかった。
いわゆるスクーターの事である。

一番驚いたのは、まさるが買ったという事だった。
まさるはごく普通のまじめ君なのだ。


「まさるが原チャ!?」


友人間では間違いなく原チャ購入一番乗りである。
まさるがその時私が到着した公園のすぐ近所に住んでいる事を思い出し、

「まさる呼ぼうぜ!」

という事で、当時は最先端であるポケベルで呼び出した♪


言うまでも無く、この時に大きなターニングポイントを迎えていたのである。


「ブイ〜ン♪」

テル「う〜わ!ほんまに原チャやん!!!」

まさる「おう。別に嘘なんか付かへんわ」

りゅう「ちょっと乗らせてや!」


16歳の少年にとって、エンジンが付いた乗り物に興味が沸かないはずが無かった。
今でも性格は変わっていないが、りゅうのあまりの強引さにまさるはしぶしぶ大事な
原チャを貸した。


りゅう「うお〜!ばり気持ちいいやん〜!」


その時私は…。

妙に緊張していた。

次は自分が乗るはずだと確信していたからである。

中学から私学へ通った私には原チャという物を意識した事が無い。
ヤンチャが多い公立中学に進学していれば一度は経験していたはずだが、まじめ君揃いだった
私の母校ではそのような話題は一度も出ていない。


りゅう「テル!次はお前が乗ってみろや!」

テル「おっしゃ!」


もちろんドキドキである。でも強がりで負けず嫌いな自分には、ドキドキしている事が
ばれる事は絶対に避けたい道である。


テル「よいしょっと」


初めてまたがった原チャ。
エンジンの振動が手に響いてくる。心臓がバクバクと鼓動するリズムと重なり、
心臓の鼓動とエンジンの振動がシンクロしている。
もちろん表情だけは冷静を装い、別に何事も無いかのような平然とした顔つきである。


テル「いってきま〜す♪」


とは言った物の、「行くしかない」という決心をした瞬間だったのは言うまでも無い。

恐怖を断ち切り、思い切ってアクセルをひねった。


テル(心の中)「うわっ!?」

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