第1章 『出会い』 第17話

テル「どこに売ってんの?」

ヤス「南海部品。」

テル「どこそれ?

ヤス「行った事無いんか…。じゃあちょっと待っとって。」


ん?


まさか病院から抜け出すなんて事しないよな…。


って着替えてるや〜ん!


ヤス「ほな行こか!」

テル「おいおい(汗)」

ヤス「もう痛くないから」

テル「看護婦さんに怒られるんはオレやぞ〜(笑)」



ヤスの諸事情はさておき、「南海部品」が気になる…。
当然バイクなどの部品が多くあるのだろうが、まだまだ未知の世界だ。

うまく?病院から抜け出し、近所の国道沿いにある南海部品へと向かった。


ヤス「ここやで」

テル「おお。いかにも部品屋っぽいな」



バイクに関わるステッカーで埋め尽くされた異様な入り口を通り、未知の世界へと足を踏み入れた。


テル「うおっ!」


まさにはじめての世界だった。

見たことも無い部品達が目の前に広がっている。
入り口の左横には修理場もあり、誰かのバイクが見事に分解されている。


ヤス「パワフィルはどこにあるかなぁ」

テル「すげぇなぁ…」

ヤス「関心ばっかりしとらんと目的のもん探せよ」

テル「おお」



パワフィルを買いに来たのはわかっている。
でもテルの心はそれどころではなかった。

子供の頃、おもちゃ売り場に行った時以来のワクワク感だ。

あの部品は一体何なんだろう?

そんな気持ちでいっぱいだった。

「詳しくなりたい!」

本気でそう思った瞬間でもあった。


ヤス「あったあった!テルのZXは何年式やったっけ?」

テル「確か95年式かなぁ」

ヤス「じゃあこれやな。」

テル「3800円!?」

ヤス「まぁこんなもんやって。」



あっという間に3800円の部品が盗まれたのか…。
改めて盗まれた悔しさがこみ上げる。
高校生にとって3800円は大きい。


テル「じゃあ買ってくる…」


ずっとパンスト生活というわけにもいかない。

しぶしぶ購入にいたった。


ヤス「あれがチャンバーやで!」

テル「!?」



異様な形をした金属のパイプといった感じだろうか。
蜂の尻部のようなシマ模様が入っており、不気味な感じだ。


ヤス「あれを入れたらめっちゃ速くなんねん!」

テル「20000円かぁ…」

ヤス「確かに高いけどなぁ(笑)」



絶対に買ってやる!


心にそう決めたのは言うまでも無い。

バイト代を全て原チャにつぎ込む決意をした瞬間である。

第18話へ

第1章 『出会い』 第16話

まずはヤスが入院している病院までたどり着かなければ!

その一心でパンストを3重にして取り付けた。


イメージ通りであれば、これでエンジンが吸い込む空気の量が減り、ガソリンの量と空気の量とのバランスが取れるはずだ。

このとき、初めて「セッティング」という物を一人で行った瞬間だった。


結果は…。



見事に大成功だ!

エンジンが1発でかかり、息つくことなく見事にエンジンが吹け上がる!


テル「よっしゃ〜!」


まさに歓喜の瞬間だった。

メカニックとはまだ名乗れないが、メカニックの快感を初めて体感した瞬間だった。

パワフィルを盗まれたことなんてこの際どうでもよかった。
とにかく自分で考え、対策した事が的中した事がうれしかった。


テル「さあヤスのところに行くか!」


意気揚々とヤスが入院している病院へと向かった。


ヤスの病室へと駆け込んだテルは、早速盗まれた事を伝えた。


ヤス「え〜!?」

テル「そうやねん。」

ヤス「で、どうやって来たん?」

テル「パンストを3重にして付けてきた(笑)」

ヤス「おおお!何かわかってきたなぁ!」

テル「やろ♪」

ヤス「何でうれしそうやねん…。お前盗まれたんやろ(笑)」

テル「それはむかつくけど、原チャがわかってきた事の方がうれしいねん!」

ヤス「まぁええわ(笑) で、パワフィルどうするん?」

テル「それを相談しに来たんやんか。」

ヤス「おおお。なるほど。」

テル「ちなみにノーマルに戻すのは嫌やで。」



この時のテルの頭には、ノーマルのエアクリーナを取り付けるという選択肢はなかった。
一度味わった快感を無くす事はどうしても嫌だったのだ。


ヤス「じゃあ買いに行くんか?」

テル「どこに売ってんの?」

ヤス「南海部品。」

テル「どこそれ?

ヤス「行った事無いんか…。じゃあちょっと待っとって。」



ん?


まさか病院から抜け出すなんて事しないよな…。


第17話へ

第1章 『出会い』 第15話

何かがいつもと違う。
毎日見ている愛車だからこそ分かるこの違和感…。
妙な不安が頭をよぎる。


とりあえず走って愛車の元へ急いだ。


テル「あ〜!!!」


やられた…。

神田さんから貰ったパワフィルが見事に無いのだ。


テル「うそやん!」


空気量の調整の為に取り付けていたパンストだけが無残に残っていた。

頭が真っ白になった。

こんなにも簡単に盗まれるなんて…。

というより、こんなにも平然と犯罪が行われたことにショックだった。

この部品を必要とする年齢層は、少なくても16歳以上であるはず。
同級生以上である事は明らかなのである。


やるせない想いが胸を強く震わせた。


実際には1分ほどであったと思うが、非常に長い時間愛車の前で呆然と立ち尽くしていたように思う。

目の前の空間が無に感じた。

ふと我に返ったとき、とっさにある事に気が付いた。

パワフィルが無いという事は、以前苦労して減らした吸入空気量をさらに減らす必要があるという事だ。


残りのパンストはあと少し。

思いつく方法はただ一つ。

「パンストを出来るだけ重ねて取り付ける。」

これしかないだろう。


まずはヤスが入院している病院までたどり着かなければ!

その一心でパンストを3重にして取り付けた。

第16話へ

第1章 『出会い』 第14話

パンスト生活!?にも慣れ、ますます原チャが楽しくなっていた。

少し手を加えるだけではっきりと性格が変わっていく。
これほど面白いものは無いと思い始めたのだった。

通学時に最寄り駅まで原チャで通うようになり、駅近くの公園に隠すように
原チャは止めていた。


そう。


下校後、すぐに原チャに乗りたいが為に駅まで乗っていくのだ。

電車を降りてすぐ、ホームから愛車の存在を確認する。
これが日課となっていた。


いつものように下校し、いつものように電車を降りて愛車を確認する。


テル「よしよし。無事におるな♪」


改札を出て愛車の元へ足早に向かう。


テル「???」


何かがいつもと違う。
毎日見ている愛車だからこそ分かるこの違和感…。
妙な不安が頭をよぎる。


とりあえず走って愛車の元へ急いだ。


テル「あ〜!!!」

第15話へ

第1章 『出会い』 第13話

神田「どうやった?」

テル「バッチリです!」

神田「何日か経ったらパンスト交換した方がええで」

テル「そうなんすか?」

神田「ガソリンが逆噴射した分がパンストに付いて、空気を吸わなくなるで」

テル「詰まるって事すか?」

神田「まぁそんな感じかな。」



なんとなくニュアンスはわかったが、詰まるとどうなるのか分からなかった。
とりあえず、調子が悪くなったらパンストを交換すればよいのであろう。
愛車が多くの変貌を遂げたその日は、パンスト装着にてとりあえず帰宅した。


愛車「パオ〜〜〜ン!」


ガチャッ


テル「ただいま〜」

父「おお。遅かったのぉ」

テル「原チャをいじっててさ」

父「なんかいつもと音が違ったぞ。帰ってきたんがすぐわかったわ」

テル「なんかパワフィルっていう部品付けてん」

父「まぁ何をしたんか知らんけど、壊すなよ」

テル「大丈夫やって。」



壊したくないのは確かだが、本当に壊れないという確信など全く無かったのだが…。


数日後。


原チャ「パオ〜 ゴボゴボ  〜〜ン」


テル「!?」


何かゴボゴボする…。

明らかにガソリンがゴボゴボしている!

これがパンストの詰まりなのだろうか?

とりあえずパンストの具合を見てみるか。


w( ̄▽ ̄;)w ワオ!


パンストがビショビショに濡れているではないか…。
これで空気の通りが極端に悪くなって、ガソリンと空気のバランスが崩れた
という事であろう。
ガソリンが多すぎてゴボゴボしているという事だな。

とりあえず言いつけ通りにパンストを交換してみるか。


原チャ「パオ〜〜〜ン」

テル「おお!」


確かに調子が戻った♪
すごく単純ではあるが、たったこれだけでまともに走らなくなるという事で、エンジンとは非常にシビアなものなんだと痛感した。

第14話へ

第1章 『出会い』 第12話

念願の?パンストを無事入手し、病院へと戻った。


神田「おお買ってきたか!」

テル「はい、なんとか…」

ヤス「なんとか?」

テル「男がパンストを買うのは大変やったわけさ(汗)」

ヤス「当たり前やん!って顔で買えば余裕やって(笑)」

テル「店員が知り合いやったしなぁ」

ヤス「まぁ手に入ったからええやん。早く付けようぜ!」

神田「適当な大きさに切って使えよ」

ヤス「ういっす!」



いまだに解せない…。
なぜ愛車にパンストが必要なのだろうか。
これでどれほどの効果を期待できるのか。


パワフィルの取り付け口は直径5センチほどの筒状。
それを覆うようにパンストを被せて取り付けるそうだ。


ヤス「よっしゃ!これでええやろ」

テル「おおお。それにしても肌色は目立つなぁ…」

ヤス「普通は黒やで〜!」

テル「やっぱり(涙)」



何でも経験してみないと分からないもんだ。


ヤス「早速走っておいでよ」

テル「おう」



原チャ「パオ〜〜〜〜ン」


うんうん。
すこぶる好調だ♪

50キロを越えてもエンジンが不調にならない。

なるほど、エンジンには空気の量が非常に重要なのか。
とりあえず空気が多すぎると駄目な事はこれでわかった。


テル「肌色って部分以外はバッチリやな!」

ヤス「それはお前の責任じゃ」

テル「確かに(笑)」



それにしても、このままパンストを付けたままで永遠に走行し続けるのだろうか…。

若干不安が残る対策だった。

第13話へ

第1章 『出会い』 第11話

テル「えええ!」


もう何が何だかわからなくなってきた。
どうして今の会話の中でパンスト購入という結論が出るのか…。


神田「堂々と買ってきたらええねん(笑)」


普通に考えて、男がパンストを買うなんて非常に恥ずかしいことである。
もちろん未経験。
もう頭は混乱状態である。


テル「じゃあ買ってきます…。」


もうどうにでもなれ!という気持ちしかなかった。

しかし、どこで購入するべきなのか。
バイト先で購入すれば、店員はもちろん知り合いなので弁解はできる。
でも弁解が言い訳と取られるとバイトで変な噂が流れるのは目に見える。
とは言っても全くの他人が店員をしているコンビニに行くと、弁解の余地
無しで明らかに変態扱いされてしまう。

無難にバイト先に行くか…。

50キロ以上出せない愛車にまたがり、近くにあるバイト先へと向かった。


店員「いらっしゃいませ〜!」

店員「って山本君やん。プライベート?」

テル「こんばんは!ちょっと買い物に…」



パンスト置き場くらいはバイトをしている身なのでバッチリ把握している。
でも一直線でいくのも気が引ける。

とりあえず他にも何か買っておくか。


…。


逆に怪しいか(笑)

ええい思い切ってパンスト単品買いだぁ!


肌色、黒、レース…。
サイズもいっぱいあるなぁ。
そういえばこんなにまじまじとパンストを見たのは初めてだ。
まぁオーソドックスな肌色でいっか。
一番安いやつで問題ないよな。


じゃあ運命のレジへ行くか…。


いやいやあかん!ちょっと待てよ。
他の客でレジに行きそうな奴はおらんよな?
お客さんもオレの顔を知ってる人が多いしなぁ。

立ち読みが2人とジュース選びが1人か。
ジュースを買ったらそろそろレジやんな。

あいつがレジに行ったら突撃するか…。


…。


おっしゃ今や!


店員「!?」

テル「違う違う!勘違いしないでくださいよ(汗)」

店員「あれ〜?そんな趣味あったん?」



突っ込みたくなる気持ちはわかるけど、そんな筋書き通りの突っ込みは
いらんって〜!


テル「そんなん無いっすよ(汗)」

テル「原チャにつけるんです。」

店員「嘘つくんやったらもう少しうまい事言えや〜(爆)」

テル「本間ですってば〜(涙)」

店員「まぁ今日のところは勘弁しといたろ〜!」



畜生。

典型的な関西人め…。


テル「勘弁って(笑)本間に原チャに付けるだけっすから。」

店員「まぁええやん。ムキになる所がまた嘘くさいけど見逃したるわ(爆)」

テル「ははは(苦笑)」

店員「じゃあまたな。」

テル「ういっす。お疲れっす!」



パンストめんどくせ〜!


と心から叫びたくなった一時だった。

第12話へ

第1章 『出会い』 第10話

なんじゃこりゃ???

青色のきのこ?でもないし空き缶でもないし…。

しかもやたらとガソリン臭い…。


ヤス「テル工具持ってる?」

テル「プラスドライバーとその他少々くらいなら確か…。」

ヤス「それだけあったら何とかなるわ。今から付けにいくか!」

テル「オレはいいけどヤスは病院から出れるんか?」

ヤス「関係ない!」

テル「ははは(苦笑)」



また場所が変わって駐輪場へ。(ヤスは軽い脱走)


この時初めて、原チャがちょっとした事で変身することを目の当たりにした。


ヤス「これをはずしてパワフィル付けるねんで。」

テル「ほうほう。」



慣れた手つきで、迷いも無く部品を外していく様を見て少し驚いた。
原チャの部品って外しても大丈夫なの?という戸惑いが大きかったのだ。
実際には不安の方が大きかったのかもしれない。


ヤス「おっしゃ!エンジンかけて!」

テル「おう…。」



不安のまま、エンジンをかけてみると


原チャ「パコパコパコパコ…」


テル「うわ!めっちゃ音違うやん(驚)」

ヤス「やろ!これがパワフィル!」



まさに衝撃であった。
青色の空き缶きのこを取り付けただけで音が全く違う!
一体これはどうしてなんだ?


ヤス「ちょっと走ってきてみ〜や!」

テル「わかった!」



原チャ「パオーーーーン!」


テル「おおお♪」


音が大きい!

アクセルの感覚が全然違う!!

快感!!!


様々な感覚が舞い込んできたそのとき!


原チャ「プ〜〜〜〜ン…。」


テル「あれ?50キロの所でスピードが急に落ちたけど?」

ヤス「ほんまや…。多分空気が多すぎなんかなぁ…。」

テル「…。」

ヤス「まぁええやん。とりあえず病院に戻るか。」

テル「おお…。」



まさに形勢逆転である。
快感は一瞬のうちに不安に変わった。


このままで家に帰るのか?
この後どうするんだ?

どうしようもない不安が頭をぐるぐる回り続けていた。


ヤス「困ったなぁ。どうしよっか…。」

テル「ううう。」

神田「パワフィル付いたかぁ?」

ヤス「付けたんですけど、50キロ以上でスピードが急に落ちるんですよ。」

神田「空気吸いすぎてるんやろ。じゃあコンビニでパンスト買ってこいや。」

テル「パンストっすか!?」

神田「女が買うパンストや。」

テル「えええ!」


第11話へ

第1章 『出会い』 第9話

やくざ風の親父「おい真嶋〜!タバコ買ってきてくれや〜」


テルの心「おいおい…。あきらかに任侠道まっしぐらなお人じゃないの…。」


是非とも関わりたくない方とヤスは知り合いなのね(涙)

ここは自分の存在を消そう。


うん。


そうしよう。


ヤス「はい〜!わかりました!」

やくざ風の親父「おい真嶋!そいつ誰や?」

ヤス「あっ。小学校のころの同級生で、お見舞いに来てくれたんすよ!」

やくざ風の親父「あっそ。おいこら!」

テル「はい!?」

やくざ風の親父「こんな悪とつるんどったらええ事無いで〜!カッカッカ!」


テルの心「いやいや…。あんたが言うなよ…。」

テル「ははは(苦笑)」

ヤス「笑う所ちゃうわい!…ってそういえばテル原チャ乗ってるよな?」

テル「まあ一応…。」

ヤス「ごめん、タバコ買って来てくれへん?」

テル「まぁいいけど(汗)」



その場の雰囲気は断れるような状態ではなかった。
何がなんだかわからないまま、テルはタバコを買いに行く。
雰囲気があまり良くなかったので、適当にごまかして真美ちゃんを先に帰宅させる事にした。


真美「気をつけてよ〜。」

テル「おお。本間そうやな。このまま逃げ出したら殺されるんかな…。」

真美「それは危険やと思うわ(汗)」

テル「やっぱり駄目!?」



しぶしぶタバコを買って病院の休憩所に戻った時、若い衆らしき人が増えていた。


テル「タバコ買ってきました。」

親父「おお。悪かったのぉ。」

ヤス「テルありがとうな。」


テルの心「ううう。金はどうでもいいから早くこの場から立ち去りたい〜」


ヤス「そうそう話しの続きやな。いじるってパワフィル付けるとかチャンバーとか…」


全く聞いた事がない単語がいっぱい出てきた。

パワフィルってなんだ???

チャンバー???


何も知らなかった当時の私には全くわからない言葉ばかりだった。


※パワフィルとは「パワーフィルター」の略で、通常のエアフィルターよりも吸気能力が高く、より以上に空気を吸い込む必要がある場合に取り付けるものである。
空気を大量に吸い込むため、吸気音がノーマルよりも大きくなる。
吸気量が多くなる分、ガソリンを従来よりも多く噴射させるセッティングが必要となるが、当時の私にはそのような知識は皆無である(笑)

チャンバーとはマフラーの事で、現在主流となっている4ストロークエンジンと呼ばれるエンジンには使用せず、一部のバイクに採用されている2ストロークエンジン用のマフラーの事である。
バイーン!という甲高い音が特徴的。




テル「それって付けたらどうなるん?」

ヤス「音が変わったり、チャンバー付けたらばり早くなるで!」

テル「へ〜。そんなんあるねんなぁ。」

若い人「おっ。原チャの話しかいな。俺も昔はよういじったで。」

ヤス「神田さんもいじってはったんですか?」



どうやら若い人は神田さんと言うらしい。


神田「そういえばクルマに一個パワフィルがまだあったなぁ。」

神田「いる???」

テル「えっ!?」

ヤス「おお!テルもらっとけって(笑)」

テル「じゃあ是非♪」

神田「ちょっと待っとってな」

ヤス「よかったなぁ。いきなりパワフィルデビューやん!」

テル「でもどうやって付けたらいいん?」

ヤス「オレが付けたる!」



むむむ。どうやら話しは急展開。オレの原チャは変身するみたいだ。


神田「はいよ!」

テル「ありがとうございます!」



見た目は…。

なんじゃこりゃ???

第10話へ

第1章 『出会い』 第8話

夕方に真美ちゃんと病院の前で待ち合わせをしたテルはわくわくしながら病院内へと足を運んだ。

ヤスが入院しているのは4階。

エレベーターが上昇している間、テルの心の中は小学校時代のヤスとの思い出にふけっていた。

テルの心「今はどんな奴になってるんかなぁ」

小学校を卒業以来一度も再会していないので、全く想像が付かなかった。
ただバイクで事故ったという事から、ある程度のヤンチャぶりは想像できた。


「チーン」


4階だ。


真美「エレベーターを右に出て突き当たりの部屋らしいよ」

テル「ああ。あれやな。」



表札を確認すると、「真嶋やすし」の名前が確かにそこにあった。

この先には5年ぶりに再会する友がいる。

この時に運命の歯車は最高潮に回り始めていたのだ。

この再会が良かったのか悪かったのかは今でも判断が難しい。
ただ少なくても、彼がいなければ今の私がいない事は間違いない。


真美「まじま〜!」

ヤス「おお!真美やんけ!?お見舞いに来たん?」

真美「そうそう!事故ったって聞いたからさぁ!」

ヤス「あれ隣の奴は…?」

ヤス「…ってテル君やんかぁ!!! どないしたん? めっちゃ久しぶりやなぁ!」

テル「おおヤス!久しぶりでいきなりお見舞いやぁ!」

ヤス「なんかごっつい再会やなぁ(笑)」

ヤス「原チャで居眠り運転してもて、アゴから着地でこのザマや(爆)」

テル「いやいや全然笑えんって(汗)」

ヤス「そういえばなんで真美とテルが一緒におるん?」

真美「…。」

ヤス「何?もしかしてお前ら付き合ってんの!?」

テル「おお。」

ヤス「そうやったんかぁ。そういう事は早く言えや〜」

テル「まぁそれより、最近どないしてんの?」

ヤス「鳶(とび)やってるで。」

テル「おおお。働いてるんかぁ。一人前やのぉ♪」

ヤス「テルは?」

テル「最近スケボー少年から原チャ小僧に変身したばっかや(笑)」

ヤス「うそやん!何乗ってるん!?」



やはり喰いついてきた。すかさず


テル「ホンダのZXや!」

ヤス「おおお!オレの愛車はヤマハのZRやで!ばりばりいじってるで!」

テル「いじるって?」

ヤス「もしかしてテルはまだノーマルかいな?」

テル「おお(汗)いじるって何したらええかわからんしなぁ。」

ヤス「あかん気分が乗ってきた!ちょっとタバコ吸いに行かへん?」



おいおい病人が何を言ってるんだね…。


テル「おっしゃ。じゃあ行こっか。」


場所は変わって病院の休憩所。そこには数人の先客がいた。
そして休憩所に入ってすぐの事だった。


やくざ風の親父「おい真嶋〜!タバコ買ってきてくれや〜」


テルの心「おいおい…。あきらかに任侠道まっしぐらなお人じゃないの…。」


是非とも関わりたくない方とヤスは知り合いなのね(涙)

ここは自分の存在を消そう。


うん。


そうしよう。

と思った矢先…。


第9話へ


calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

楽天オススメ商品♪

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 第2章 『没頭』 第42話
    モンキー乗り・・・だった
  • 第2章 『没頭』 第42話
    しょう
  • 第2章 『没頭』 第36話
    KY
  • 第2章 『没頭』 第32話
  • 第2章 『没頭』 第9話

recent trackback

recommend

エンジン性能の未来的考察
エンジン性能の未来的考察 (JUGEMレビュー »)
瀬名 智和
アイティメディアでの連載記事で参考資料として使用していた本です。
エンジンの気筒数や配列による違い、出力向上法、レスポンス向上法などなど、エンジンに興味がある人には興味がある事ばかり書かれていて超お勧めです。
内容も比較的理解しやすいように噛み砕いてありますので、3級以上の知識があれば大丈夫です。

recommend

 (JUGEMレビュー »)

車のシャシに関する著書では間違いなく一番です。
実際のアライメントセッティングに応用できる基礎知識が手に入りますので、教科書では全く理解できていなかった部分も驚くほど吸収できます。

recommend

自動車用語中辞典 普及版
自動車用語中辞典 普及版 (JUGEMレビュー »)
自動車用語中辞典編纂委員会, 斎藤 孟
プロも多数愛用している、自動車用語辞典の代名詞的存在。私も18歳の頃からずっと使い続けています。HPやメルマガの参考書籍です。

recommend

大車林―自動車情報事典
大車林―自動車情報事典 (JUGEMレビュー »)

プロをうならせる自動車関係の書籍としては最強です。イラストも非常に多く、これ以上を望む人はすでにカリスマ的存在のメカニックでしょう。

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM