第1章 『出会い』 第27話

バイク屋さんは思っていたよりも近く、実家の真下に位置していた。
到着すると、若い人が一人いるのがすぐに確認できた。


ケンジ「おぉヤスやんか」

ヤス「ケンジ君おつかれっす!」

テル「どうもです」


ケンジ「隣は?」

ヤス「小学校からの知り合いですわ」

テル「はじめまして!テルって言います」

ケンジ「おぉ。どうぞよろしく」


ヤス「実は今日はこいつの原チャを見て欲しいんですよ」

ケンジ「どないしたん?」

ヤス「なんか40キロくらいまでがめっちゃ遅いんすよ(笑)」

テル「笑うなっちゅうねん!」

ケンジ「このチャンバー入れてから?」

テル「はい!そうですね」

ケンジ「ちょっと1回乗らせてもらってもいい?」

テル「はい!どうぞ!」



慣れた様子でケンジ君が原チャに乗り込んだ。
しかも変わったフルフェイスのヘルメットだ!


テル「ドラえもん!?」

ヤス「ケンジ君はドラえもんヘルメットやで!めっちゃかわいいやろ(笑)」



原チャ「ボ〜〜〜〜〜〜〜〜〜…」


ヤス「ププッ ( ̄w ̄)」

テル「ほんまいちいち笑いやがってぇ〜!」



1分ほどしたらすぐにケンジ君は帰ってきた。


ケンジ「ウエイトローラーが重たい典型的なパターンやな」

テル「ウエイトローラー?」

ケンジ「チャンバー入れてから何も駆動系いじってないやろ?」

テル「はい。何のことやらさっぱりです…」

ヤス「やっぱりな〜!俺が言っとった重りの事やで!」

ケンジ「重りって(笑) まぁ間違ってはないけどな」

テル「何やったっけ?プーリーって奴の中に入ってるってやつ!?」

ケンジ「そうそう。ウエイトローラーを軽い奴にしたら問題なしやな」

テル「それって買うんですか?」

ケンジ「とりあえずノーマル状態で6つ入ってるから、それより軽くすんねん」

テル「じゃあまずは南海部品って感じすか?」

ケンジ「そやな。どっちにしてもベストウエイトを探すまで何度も試行錯誤や」

テル「とりあえず適当な重さを買ってくるって感じすか?」

ケンジ「そうやなぁ。ノーマルがたしか1個8gやから、4gを3つかな」

テル「ノーマルと3つだけ交換って事?」

ケンジ「おお!勘がいいねぇ。そんな感じ!」

テル「じゃあとりあえずは4gを3つ買ってきます!」

ヤス「おっしゃいこか!」

ケンジ「捕まんなよ〜」



聞くところによると、ウエイトローラーは6つあり、その合計重量が大事らしい。
つまり今は重すぎて回り始めが遅いのだ。
そのかわり一度回りはじめると重さ分の遠心力による加速をするという事らしい。
逆に軽すぎるとすぐに高速回転になるが、遠心力が弱いので最高速が低いらしい。


うーん。難しい。


重すぎても軽すぎても駄目。


ベストウエイトを見つけるまで何回買う羽目になるんだろう…。
しかもウエイトローラーっていくら位するのか見当が付かない。


小遣い持つかな…。


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第1章 『出会い』 第26話

チャンバーとはこういう物なのか?


とりあえずテスト走行を兼ねてヤスのところへと向かった。


ヤス「おおお!ついにきたか!ゼロチャンバー!」

テル「そうそう!ええ音鳴ってるやろ!」

ヤス「どう?速い?」

テル「それがさぁ…」

ヤス「あれ?はずれやった???」

テル「いやいや、40キロからはめちゃくちゃ速いねんけどな…」

ヤス「40キロから?」

テル「40キロまでがめちゃくちゃ遅いねん」

ヤス「あらら…」

テル「一体何が起こってるんかねぇ…」

ヤス「たぶんプーリーのセッティングかなぁ」



またまた聞いたことが無い部品名が出てきた。
プーリーって何のことだろう。


テル「プーリーって何?」

ヤス「円盤みたいな奴でな、中に重りが入ってんねん」

テル「重り?」

ヤス「そうそう。その重りを調整して何かセッティングするらしいねんけどなぁ」

テル「ヤスでもわからんかぁ…」

ヤス「じゃあケンジ君に聞きにいくか?」

テル「ケンジ君?」

ヤス「そうそう。六甲でかなり有名な走り屋やで」

テル「じゃあ六甲に行くんか?」

ヤス「いやいや(笑)その人がバイトしてるバイク屋さん!」

テル「納得」



という事で、かなりの大物が働いているバイク屋さんへと向かった。


原チャ「ボ〜〜〜〜〜〜〜〜〜…」

ヤス「はっはっは!ほんま遅いなぁ( ̄∇ ̄;)」

テル「笑うな〜!」


第27話へ

第1章 『出会い』 第25話

期待度120%でアクセルを開けてみると…。


原チャ「ボ〜〜〜〜〜〜〜〜〜…」

テル「あれ?」


おかしい。

いつもはバイ〜ンと良い加速をしていくのに、全然加速しない…。

ところが、40km/hほどまで加速した所でそれは急に起こった。


原チャ「キュイ〜〜〜ン!!!」

テル「うおっ!?」


一気に加速をはじめたのだ!

首が加速についていかないほどの急加速。
まるで何かのスイッチが入ったかのような急加速である。


テル「うおー!めっちゃ速い〜!」

とっくにスピードメーターは振り切っている。
推定80km/hほどであろうか。
40km/hを超えたところからの加速が尋常ではない!


目前の信号が赤に変わり、とりあえず停車をした。


テルの心「一体何が起こったんだぁ???」

信号が青になり、発進するとやはり全然加速しない…。


テル「う〜〜〜。ストレス溜まるなぁ」

やはり40km/hほどになると、加速スイッチが入った。


テル「きたきた〜!」


どうやら加速スイッチが入るまでは全然駄目である。
しかし加速スイッチが入ってからの加速は半端じゃない。


チャンバーとはこういう物なのか?


とりあえずテスト走行を兼ねてヤスのところへと向かった。

第26話へ

第1章 『出会い』 第24話

この日を境に、バイトのシフトを一気に追加したのだった。


そして1ヵ月後。

バイトの給料が入り、ついにチャンバーを購入できる状態になった。


テル「どのチャンバーがいいかなぁ?」

ヤス「う〜ん、俺はデイトナのダッシュチャンバーが好きやなぁ」

テル「確かに速いなぁ。でもどうせやったら最先端いきたいなぁ」

ヤス「そういえば最近『ZERO』ってメーカーが良いらしいで」

テル「どれどれ?」

ヤス「これ」

テル「おお!なんか1直線でかっちょええなぁ!」

ヤス「紫やしこれは目立つで〜!」

テル「おっしゃこれにしよ!」



という事で、性能はわからないので見た目重視でZEROというチャンバーを通販で購入した。

2日後、宅急便でチャンバーが届いた。
組み付け書を読み、なんとかチャンバーを取り付けてみた。


テル「おおおおおお!」


かっこいい。


早速エンジンをかけてみる。


原チャ「ビャイ〜ン」


テル「おおおおおおおおおおおお!」

めちゃかっこいい!

今まで聞いたことが無い種類の音だ。


テル「よっしゃテスト走行行くぞ〜!」

期待度は言うまでもなく高い。

とてつもなく速いに決まっている。

この斬新なデザイン。
心くすぐる音質。

速くないわけが無い。


まさに「ウキウキ♪」状態だ。


期待度120%でアクセルを開けてみると…。

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第1章 『出会い』 第23話

無事にエンジンも始動し、とりあえず中腹にある展望台まで登り始めた。


5分ほど峠道を上ると、左手に駐車場のようなものが出てきた。
と同時に、ヤスが左のウインカーを出した。
どうやらここが展望台らしい。
自分も続いてウインカーを出して展望台へと入っていった。

駐車場の奥へ進むと、ヤスが原チャを止めて降りた。
もちろん自分もそれに続いた。


ヤス「こっちこっち!」

テル「おう!」

テル「!?」



絶景だ!!!


自分が生まれ育った町が、見事に見下ろすことができる。


テル「うおおおお!」

ヤス「すごいやろ(笑)」



こんな場所が家から10分弱のところにあったとは夢にも思わなかった。
神戸の町はもちろん、大阪、その先の和歌山までくっきりと見える。


テル「これは鳥肌立つなぁ!」

ヤス「おう!俺のお気に入りスポットや!」

テル「夜になったらやばそうやなぁ!」

ヤス「相当やばいで!特に雨上がりは空気が澄んでるから最高や♪」

テル「ほうほう」



とにかくあまりの絶景に胸が躍った。
今後、間違いなく自ら通う事になるだろうと思った。


テル「そういえば走り屋って人らはどこにおるん?」

ヤス「この先の西六甲に多いよ」

テル「じゃあ今日は痛い思いしたから今度やな」

ヤス「まぁ近いからいつでも来れるわ」

テル「そうやな」

ヤス「とりあえず今日は下りるか!」



帰り道もまだあの絶景が頭を離れなかった。
今まで景色で感動したことが無かった事もあるが、それにしても印象が
かなり強く残った。

山を下り、近くのコンビニに立ち寄った。


ヤス「そういえばチャンバーはいつ買うん?」

テル「本間それな〜。いつ買えるかなぁ…」

ヤス「チャンバーくらい付けてなかったら山上るのしんどいで」

テル「確かに馬力の無さは今日痛感した…」

ヤス「ああこれこれ」

テル「ん?」

ヤス「バリバリマシンって言う雑誌でな、いろんな部品が載ってるで」

テル「おお!ひざ擦ってるやん!」

ヤス「投稿写真や。俺も一回くらい載りたいねんよなぁ」

テル「うわ!めっちゃ改造してるなぁ!」

ヤス「走り屋はそんなんやで〜」

テル「うおおすげぇ〜」

ヤス「ちなみに俺の先輩はよく載ってるで。ちょっとした有名人らしい」

テル「へ〜。なんか走り屋ってかっちょええのぉ!」



この雑誌の影響で、今すぐにでもチャンバーが欲しくなった。
しかし最近はあまりバイトに行っていないため、小遣いが足りない…。


テル「あかん!もっとバイト行くわ!」

ヤス「お!火が付いた?」

テル「チャンバーくらい付けたいやん♪」



この日を境に、バイトのシフトを一気に追加したのだった。

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第1章 『出会い』 第22話

原チャにはもちろんクルマと同じ『スタータ(セル)』が付いているが、キックペダルという物も付いている。
キックペダルを踏み込む事でスタータを回しているのと同等の事になり、バッテリ残量が無い時などでもエンジンを始動できるものだ。


テル「なんでキックなん?」

ヤス「スタータを回しすぎたらバッテリが上がってまうやん。」

テル「ほうほう。じゃあひたすらキックか!?」

ヤス「気合じゃ!」



ヤスが言うとおり、ひたすらキックし続けた。
瞬間的にエンジンがかかりそうになるものの、なかなかエンジンが掛からない。


ヤス「あかんな〜」

テル「おお…。そろそろ足が吊りそうやわ(涙)」

ヤス「ちょっとテクニック使ってみるか」



何を思ったのか、ヤスはキーをオフにした状態でキックを始めた。


テル「オフの状態でキックして何の意味があるん?」

ヤス「ガソリンを燃やさずにエンジン内に溜めるねん!」

テル「おおお!なるほど〜!」



そうである。
キーをオンにした状態であれば、どうしてもスパークプラグが点火してしまい、キック程度の少ない燃料供給時には爆発力が弱いのでなかなか始動しない。


ヤス「でもやりすぎはあかんねん」

テル「なんで?」

ヤス「プラグにガソリンが付着しすぎて火花が飛ばなくなんねん」

テル「おお!それは困る!」

ヤス「だからやりすぎ注意。そろそろオンにしてキックするか」



見事にエンジンが始動した。

エンジンを始動するだけでもこんなテクニックがあるとは思っていなかった。


ヤス「じゃあ展望台まで登るぞ〜」

テル「今回はおとなしく走るわ〜」



無事にエンジンも始動し、とりあえず中腹にある展望台まで登り始めた。

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第1章 『出会い』 第21話

まだ運転経験が浅いとはいえ、運転に自信があったテルは恐怖を抑えて必死に原チャを寝かし、アクセルを開けた。


テルの心「まだいける!」


と思ったその時!


ガシャ〜ン!


津波に襲われたような感覚が体を襲う。
まるでスローモーションだ。

体は原チャから無残に投げ出された。

空が見え、走ってきた道路が見え、また空が見える。


次に見えたのは…。


ガードレールだ!

無意識のうちに体を地面に押し付け、必死に体を止める。


「熱い!」


しかしここで気を抜く訳にはいかない。


「頼む!止まってくれ!」


前方からは対向車が迫ってくる。


「キキ〜!!!」


体がガードレール寸前で止まったと同時に、対向車もギリギリで止まった。


運転手「大丈夫か〜!?」

テル「すいませんでした〜!」

運転手「いやぁビックリしたわぁ。ケガしてへんかぁ?」

テル「大丈夫です!本当にすいませんでした。」

運転手「山を走る時は気をつけや〜。」

テル「はい!以後気を付けます!」



やたらと事情の飲み込みが早い運転手だった。
自身も経験があるのだろうか。

それにしても止まってくれて良かった…。

ガードレールの先は崖。

ガードレールの先に落ちなくても、対向車にはねられていた可能性は
十分にあった。

心臓がバクバクして気が動転し、事の深刻さを理解するまで少し時間が
かかったのは言うまでもない。


テル「痛…。」


普通の服を着ていた状態でもろに地面を滑ったのだ。
当然ケガをしている。

ヒジと骨盤の横が以上に熱い。


テル「うわ!」


表現が難しいが、あえて例えるならまるでハンバーグだ。

今まで色々なスポーツを行ってきたが、ここまで激しい擦り傷は未経験だ。


ヤス「どうした〜?」

テル「!?」



あまりの遅さにヤスがUターンして戻ってきてくれたようだ。


ヤス「あれ?もしかしてこけた?」

テル「見事に。」

ヤス「うわ〜!結構やってますなぁ兄さん…」

テル「おお…。痛いじゃなくて熱いわ。」

ヤス「とりあえずここは道路上やから展望台まで上がるぞ」

テル「原チャ大丈夫かな?」

ヤス「そういえばそうやな。」



原チャは無残にもバックミラーが折れ、ボディーにはかなり傷が付いている。
どうやら転倒した状態で少し放置していたため、ガソリンが少し漏れて
きているようだ。


ヤス「ガソリンが回るまでひたすらキックや!」


原チャにはもちろんクルマと同じ『スタータ(セル)』が付いているが、
キックペダルという物も付いている。
キックペダルを踏み込む事でスタータを回しているのと同等の事になり、
バッテリ残量が無い時などでもエンジンを始動できるものだ。


テル「なんでキックなん?」

ヤス「スタータを回しすぎたらバッテリが上がってまうやん。」

テル「ほうほう。じゃあひたすらキックか!?」

ヤス「気合じゃ!」


第22話へ

第1章 『出会い』 第20話

数日後、ついにヤスが退院した。
ヤスが退院してからの日々は、今までとは比べ物にならないほどの激動の日々だった事は言うまでも無い。
ヤスが退院してすぐ、テルがますますバイクにのめりこむ出来事が起こった。


ヤス「テルさぁ、山行った事あるん?」

テル「山?」

ヤス「六甲!」

テル「何があるん?」

ヤス「ほんま何も知らんねんなぁ(笑)」

テル「何があんねん?」

ヤス「攻めるねん!」

テル「速く走るって事か?」

ヤス「そうそう。皮つなぎ着て攻める!」

テル「おおお!レーシングスーツみたいなやつか!」

ヤス「俺な、走り屋やってんねんで!」

テル「ハシリヤ?」

ヤス「簡単に言ったら、攻め専門のチームや」

テル「へ〜。なんか凄そうやなぁ」

ヤス「俺はまだまだ下手な方やから偉そうに語れへんけどなぁ」



どうやら目の前にそびえている六甲山には楽しそうな世界がありそうだ。

レーシングスーツ。
一度は着てみたいような気がする。


ヤス「今から山行くか!俺の退院祝いや!」

テル「え〜!皮つなぎなんか持ってないで…。」

ヤス「ええねんって。俺も家にしか無いからこのまま行くし。」

テル「まぁ行くだけやったらいいけどな」



とは言うものの、先日ポリをうまく振り切った事もあり、徐々に原チャの運転に自信が付いていた。
自分の腕を試すいい機会だと内心思っていたのだ。


行くと決めてから5分後、六甲への道の真下にあるガソリンスタンドへ入った。


ヤス「山はガソリンがめっちゃ減るから満タンにしてから登るねんで」

テル「ほうほう」



ガソリンを満タンにし、不安のまま原チャに乗り込んだ。


ヤス「よっしゃ!頑張って付いて来いよ〜!」

テル「おいおい(汗)付いていけるわけ無いやんか!」

ヤス「気合で乗り切れ!」

テル「気合って…」




会話も途中で、ヤスはアクセル全開で六甲を登り始めた。


原チャ「バイ〜ン」


山道という事もあり、かなりの登り坂である。
メーター読みで40キロしか出ない。


それにしても何と言うカーブだ…。
ここまで急激なカーブはまだ経験した事が無い。
直線は無く、常に原チャを寝かしている状態だ。

みるみるヤスが離れていく。


テルの心「負けてたまるか!」


まだ運転経験が浅いとはいえ、運転に自信があったテルは恐怖を抑えて必死に原チャを寝かし、アクセルを開けた。


テルの心「まだいける!」


と思ったその時!


ガシャ〜ン!

第21話へ

第1章 『出会い』 第19話

テル「しっかり捕まっとけよ〜!」


ポリ「こら〜!止まれお前ら〜!」

真美「いや〜!恐いよ〜!」

テル「止まれって言って止まる奴がどこにおんねん!」



原チャのアクセルは全開だ!

今考えれば、止められれば普通は止まるもの。
でも当時の私には止まるという選択肢はなかった。

とにかくチャンバーが欲しい!誰にも邪魔させない!

という気持ちで、住宅街の小道へと原チャを走らせた。


真美「まだ追っかけてくるよ〜!」

テル「大丈夫や!あっこを右に曲がったら一気に撒ける!」



まるで映画のワンシーンのようだ。
しかし映画のように急に脇からクルマが飛び出してきたら大変な事になる。
今は真美ちゃんも一緒だ。
撒くにしても、事故はしないようにうまく撒かなければ。


テル「右に曲がるぞ〜!」

原チャ「ガリガリガリガリ…」


右に倒しすぎてセンタースタンドが地面と擦れているらしい。


真美「ねぇさっき何かガリガリって音してなかった?」

テル「おお。スタンド擦ってたなぁ。」

真美「え〜!倒しすぎやろ〜!」

テル「ポリと差を開かなあかんからな。」



どうやらポリは我々を見失ったようだ。


真美「もう来ないかな?」

テル「う〜ん。どっかでまた遭遇したら面倒くさいしなぁ。」

真美「家まで遠回りしていく?」

テル「やな。」



できるだけ信号がある道路には出ず、住宅街の暗い小道を抜けて家まで
向かった。


真美「ああ恐かった〜。まだ足が震えてるよ〜!」

テル「ははは。結構スリルあったなぁ。」

真美「ま〜たノンキな事言って〜!」

テル「ごめんごめん。今度からは初めから小道使って帰ろ!」

真美「まぁ堂々と道を走ったら追いかけられるよね〜。」

テル「そういう事やな」



うまくポリを撒けた!

この経験が変な自信を付けさせた事は間違い無い。

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第1章 『出会い』 第18話

南海部品で大きな決心?をし、新しいパワフィルを取り付けたテルは気分が良かった。

「チャンバーを買う!」

これしか頭になかった。

チャンバーを買う為、ここぞとばかりにバイトを入れた。
バイト先には彼女である真美ちゃんがいる。
最近は原チャに集中しすぎてまともに遊んでいない。
少しでも挽回するため、真美ちゃんがシフトに入っている時をできるだけ選び、バイトに明け暮れた。


真美「テル君最近いっぱいバイトしてるね〜」

テル「そうそう!原チャの部品が欲しくてさぁ♪」

真美「どっぷりはまってるね〜」

テル「オレもここまではまるとは思ってなかったわぁ」

真美「たまには遊びに行こうよ〜!」

テル「そうやなぁ…」

真美「じゃあさ、今日原チャで家まで送ってよ!」

テル「おっしゃ!まかせとけ!」



ここで普通に会話しているが、原チャの二人乗りは違反である。
しかしヤスの影響もあり、違反という感覚が少しもなかった。

悪い傾向である。

そしてバイトが終わり…。


真美「あれ〜?なんか音が大きくなってない?」

テル「そうそう!パワフィルってやつ付けたからなぁ♪」

真美「ふ〜ん。なんかヤンキーみたい(笑)」

テル「おいおい(汗)」

原チャ「バイ〜ン!」

真美「うわ〜!めっちゃ速い〜!」

テル「気持ちいいやろ〜」

真美「やばいね〜!」



気分は絶好調だ!

後ろには彼女が乗っている!

単車に彼女を乗せているのとは少し状況が違うとはいえ、青春を満喫している感じがした。


真美「あれ?」

テル「どうした?」

真美「前から来るバイクって…」

テル「!?」

テル「ポリや!」


※ポリとは警察(ポリスマン)の事


真美「捕まっちゃうや〜ん!」

テル「あかん!とりあえずUターンや!」



初めて2人乗りをしているときにポリに遭遇してしまった。

どうすればいいんだ?


大人しく捕まって罰金を払うか?


いやいや、それだとチャンバーを手に入れる時期が延びてしまう…。


…。


テル「しっかり捕まっとけよ〜!」

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