第2章 『没頭』 第11話

エンジンを切り、少しの間沈黙が続く。


ヤンキー「何でこんな風になったん?」

テル「俺が聞きたいんやって」

ヤンキー「家どこなん?」

テル「灘」

ヤンキー「そこまでどうやって帰る気?」

テル「とりあえず原チャはどっかにおいといて、連れに迎えに来てもらうわ」



何か普通に会話しているが、先ほどはこいつらに意味も無く暴行されていた訳で…。
しかも相手はこちらの事情を知り、暴行する意味は無かったという事も理解できた訳であり…。


考えれば考えるほどむかついてくる (▼O▼メ)
と思い、マサの方を見てみると本気で切れる寸前!

とりあえずこの場を立ち去らなければ!と思い、


テル「じゃあ俺ら行くわ。マサ行くで〜」

マサ「おう…」




テル「あかん、めっちゃ体が痛い…。全身打撲やでこれ」

マサ「俺なんか金属バットやぞ。しかも背骨に思いっきり入ったしなぁ」



20mほど歩いた所にあるマンションの一階を見るとめちゃめちゃ派手なZXが2台、堂々と置いてあった。


テル「あれはあいつらのZXやろうなぁ。それにしても派手やな…」

マサ「本間に切れそうや」

テル「まぁとりあえず今は素直に帰ろうや。後でなんとでも… ん!?」



見逃さなかった!

奴らのZXの裏に、見覚えのある紫色がチラッと目に入ったのだ。


テル「あれって俺のゼロチャンバーちゃうか!?」

マサ「どれやねん?」



持ち主だからこそ気づいたほんの少しのヒントだった。


テル「あれは間違いないわ」

マサ「嘘やん!って事はパクッたんはあいつらって事か!!!」

テル「あいつらも下手打ったなぁ。もっとしっかり隠せばよかったのに」

マサ「何でそんなに冷静やねん!あかんわ、本間にあいつらしばく!!!」

テル「( ▽メ)\( ̄ ̄*) まあまあ〜」



なんとかマサを押さえ込む。


テル「今は制服やし色んな人に目撃されてるからとりあえず退散せなあかん」

マサ「ぬお〜!!!イライラする…」

テル「とりあえずヤスに迎えに来てもらって俺は帰るから、リベンジはまた今度や」

マサ「一人でも殴りこむで」

テル「あかんって(笑)二度と調子乗れんくらいのリベンジやったるから」



とりあえずヤスに電話して迎えに来てもらおう。


テル「ヤス〜?あのさぁチャンバーパクられたり木刀で殴られたり大変なんよ〜」

ヤス「はぁ?何じゃそれ」

テル「俺も意味不明やねんけどさぁ、パクッた本人がいきなり襲ってきてなぁ」

ヤス「あれ?ゼロチャンバーをパクられたって事やんなぁ!!!」

テル「そういう事」

ヤス「殺す!!!今どこにおんねん!!!!!!!!!」

テル「今は芦屋やで。とりあえずそないに興奮せんと落ち着いて迎えに来てや」

ヤス「まぁとりあえず行くわ!」



マサ「あいつらも終わりやな。想像以上のリベンジが待ってるとは思わんやろ」

テル「まぁ少しの間だけやけど平和な時間を過ごしといてもらおっか( ̄皿 ̄)」



リベンジまであと10時間。

第12話へ

第2章 『没頭』 第12話

エンジンをかける訳にはいかないので、とりあえず国道まで原チャを押して
ひたすら歩き続けた。

ヤスの事なので、神戸から芦屋まで20分ほどで到着するはずだ。


マサ「俺はとりあえず家に帰るけど、勝手にリベンジ開始すんなよ!」

テル「分かってるって〜。ちゃんと連絡するわぃ」



マサはとりあえず電車で家に帰り、リベンジ開始まで出動準備をするようだ。

それはそうと、この原チャをどこに置いておこうか…。
下手な所に置いてしまうと、また同じように部品を盗られてしまう可能性が
あるし…。

頭で色々考えながら歩いていると携帯電話が鳴った。


ヤス「どの辺や〜???」

テル「そっちこそどこにおるん?」

ヤス「よう分からんけど、ラーメン屋がいっぱいあるなぁ」

テル「何となく分かるわ。とりあえずもうちょっと進んだらマクドあるから」

ヤス「マクドに行ったらええんか?」

テル「そうそう!俺ももうすぐ着くから」

ヤス「あいよ」



テルがマクドに着いた時にはすでにヤスは到着していた。


ヤス「おっそいの〜」

テル「ちゃうわ、お前が速すぎるんじゃ」

ヤス「しゃあないやん、信号が全部青やってんから」

テル「ありえへんし…。元々信号なんか関係ないんやろ〜」

ヤス「誰も俺を止める事はできへん!」

テル「はいはい…」

ヤス「とりあえずケツ乗れや…って原チャどうするん???」

テル「それがネックやねんよなぁ」

ヤス「バイク屋で預かってくれへんかなぁ?」

テル「そんな都合いい所ないやろ〜」

ヤス「せやなぁ。じゃあ車に積んで持ってかえるか!」

テル「はい〜?????」



また何か意味不明な発言が出た…。

第13話へ

第2章 『没頭』 第13話

テル「車に積むってそんなんできるん?」

ヤス「たぶんケンさんのデリカやったら積めるで」

テル「ケンさん?」

ヤス「中学の時の先輩やねんけど、めっちゃいい人でなぁ」

テル「確かに持って帰れるなら最高やけど〜」

ヤス「じゃあちょっと頼んでみるかぁ」



車に積んで帰るなんて全く想像していなかった。
半分あきらめていたが、もし持って帰れるなら何とか自分で直せそうだ。


ヤス「ちょうど今は時間があるから来てくれるってさ」

テル「うそ〜!めっちゃ感謝やなぁ」

ヤス「やっぱケンさんはいい人やなぁ」

テル「まだ会った事ないけどいい人やなぁ☆」

ヤス「とりあえず原チャは何とかなるけど、そっからどないするん?」

テル「リベンジ!」

ヤス「しばく?」

テル「いや、それよりも精神的に攻撃しようぜ」

ヤス「精神的に?」

テル「あいつらの原チャを破壊!!!」

ヤス「ははは!それ楽しそうやん♪」

テル「かなりきれいに乗ってそうやったから精神的ダメージでかいやろ」

ヤス「おぬしも悪よのう」

テル「はっはッは〜」



自慢のチャンバーを盗まれた上に、意味も無く木刀でボコボコにされたのだ。
顔は普通にしていても、心の中は激怒している。

テル「学校の連れのマサって奴も一緒にやられてんけどさぁ」

ヤス「そうなん!?その子は大丈夫なん???」

テル「あいつは金属バットでやられたからかなり痛そうやったで」

ヤス「バットは痛いなぁ。で、今どこにおるん?」

テル「とりあえず家に帰ったけど、リベンジする時は呼べってさ」

ヤス「そりゃそうやわなぁ。神戸に原チャ置いたら呼べばええやん」

テル「おお。もちろん呼ぶで」



徐々にリベンジ計画が立ってきた。


テル「結構夜遅くに行った方がいいよなぁ」

ヤス「そらそうやろ。結構派手な音するし、人が通ると面倒くさいで」

テル「じゃあ決行は夜の2時くらい?」

ヤス「せやな」



リベンジまであと8時間。

第14話へ

第2章 『没頭』 第14話

プルルルル…。


ヤス「あっケン君から電話や。お疲れ様っす!!!」

ケン「今芦屋に入ったけどどの辺?」

ヤス「2号線沿いの南側にマクドがあるんすけど、その前にいます」

ケン「ああ見えたわ。Uターンするからちょっと待っとってやぁ」

ヤス「ういっす!お願いしまっす!!!」


※ケンさんの電話での会話は想像です…。


テル「もう着いたんや…」

ヤス「たぶん外におったんちゃうかぁ」

テル「お前と違って信号は守ってるやろうしなぁ」

ヤス「アホか。俺だって車に乗ったら信号は守るっちゅうねん」

テル「車に乗ってる時点でアウトやんけ」

ヤス「言っとくけど車の運転うまいで」

テル「そういう問題ちゃうって(笑)」



ヤスと会話しているとついつい当たり前のような気がしてくるが、冷静に考えると常識ハズレな会話が多い。


ププッ♪


ケン「うい〜!」

ヤス「おつかれっす〜!」

テル「わざわざありがとうございます!!!」

ケン「おうおう。で、原チャはそれか?」

テル「はい!」

ケン「積み込む様の足場とか無いから、2人で車に持ち上げよか」

ヤス「車の高さ足りますかねぇ?」

ケン「せやなぁ。ちょっと微妙かもしれへんなぁ」

ヤス「ななめで固定するのも難しいっすよねぇ」

ケン「じゃあ寝かして入れるか!?」

テル「全然OKっすよ!積んでもらえるだけで大満足っす!」

ケン「おっしゃ。ヤスそっち持って」

ヤス「ういっす!」



2人で軽々と原チャを持ち上げ、車に積み込む。


ケン「なんか原チャを盗んでるみたいやなぁ(笑)」

テル「大分不自然な光景っすよね(爆)」

ヤス「まぁ持ち主がここにおるから大丈夫やろ」

ケン「大丈夫なんは当たり前やねんけど…」

ヤス「テル?とりあえず原チャどこに持ってく?」

テル「家に持って帰っても工具ないしなぁ…」

ヤス「そういえば真美のおっちゃんが工具セット持ってたんちゃう?」

テル「言われて見れば…。ちょうど車庫もあるしなぁ」

ヤス「とりあえず置かせてもらったらええやん。でリベンジ後に直す!」

テル「じゃあちょっと聞いてみるわ」



リベンジまであと7時間…。


第15話へ

第2章 『没頭』 第15話

また久しぶりの電話だ…。久しぶりの電話でわがままなお願いをするというのも少し気が引けるが(汗)

真美「はいはい?」

テル「今電話大丈夫かぁ?」

真美「大丈夫やで〜」

テル「今日さぁ、色々あって学校の近くのヤンキーに木刀でやられてさぁ」

真美「えええ〜!!!大丈夫なん???」

テル「あいつら木刀折れるまで殴りやがってさぁ〜。激痛やわ」

真美「とりあえず病院行かなあかんやんかぁ」

テル「いや病院は別にええわ。全身ミミズ腫れになってるだけやし」

真美「だけって言ってもさぁ…」

テル「それとな、原チャも壊れて大変なんよ」

真美「あれ、今どこにいるの?」

テル「今は芦屋におるで。原チャは取りあえず車に乗せたんやけど〜」

真美「それで?」

テル「真美の家に原チャをちょっと間だけ置かせてほしいんよ」

真美「う〜ん、ちょっと待って聞いてみる」

テル「わりいなぁ」



真美の家で直すのはいいが、本当に直るのかも疑問だ。
今の時点でさっぱり原因が分からないし、エンジンを掛けると大変な事になっているのだから住宅街でエンジンを掛けるとなると…。

テル「本間に直せるんかなぁ?」

ヤス「二人でやったら何とでもなるやろ〜」

テル「でもエンジンを掛けると大変な事になるんやで」

ヤス「どんな感じなん?」

テル「要するに直管でアクセル全開状態」

ヤス「なんでそうなるん?」

テル「俺が聞きたいわぃ」



真美「別にいいって♪」

テル「マジで!?じゃあ今から持っていくからよろしく!」

真美「どれくらいで着きそう?」

テル「たぶん30分くらいやと思うで」

真美「分かった待ってる」

テル「じゃあ着いたらまた電話するわ」



ヤス「OK?」

テル「OK!」

ケン「じゃあとりあえず神戸方面向かうで〜」

テル「お願いしまっす!」



そして移動中にリベンジの作戦会議を開いた。


ヤス「取りあえず顔とか見られたら面倒臭い事になるから、フルフェイスやな」

テル「でも自分のメットやったら足が着くんちゃう?」

ヤス「もちろん新たにメットは調達するで」

テル「出た〜。何でも調達するなぁ」

ヤス「で、服は普段着てない奴がいいな」

テル「着てない奴なぁ…。まともな奴無いで」

ヤス「じゃあええわ。俺が昔着とったジャージでええわ」

テル「じゃあそれにするわ」



ケン「どこら辺?」

テル「春日野の近くっす!」

ケン「じゃあここら辺から上(北)に上がるで〜」

テル「そうっすね!」



リベンジまであと6時間…。


第16話へ

第2章 『没頭』 第16話

テル「そこを右っす!」

ケン「ここ右な」

テル「あの突き当りのちょっと手前っす」

ケン「はいよ〜」

ヤス「そろそろ電話しとかなあかんやろ?」

テル「せやな。ちょっと電話して出てきてもらうか」



真美「着いた〜?」

テル「おお。あと30秒くらいで着くで」

真美「外に出た方がいいの?」

テル「そうしてくれると助かる!」

真美「じゃあ外に出るわ〜」



ヤス「とりあえず原チャを置くだけ置いて、俺の家いくで」

テル「服も取りにいかなあかんもんな」

ケン「お〜い、ここでいいんか?」

テル「ういっす!バッチリです♪」



すでに真美が外で待っていた。


ケン&ヤス「せ〜の!!!」

二人で軽々と原チャを持ち上げ、車から降ろした。


真美「きゃあ!ちょっとめっちゃ顔も腫れてるやん…」

テル「そう?顔面直撃はかなり避けたつもりやねんけどなぁ」

真美「体は痛くないん?」

テル「痛すぎやで。ほら見てみ?」



上半身の服をめくり、ミミズ腫れを見せる。


真美「うわ痛い〜 o(;>△<)O」

テル「どんどん腫れがひどくなってきたなぁ」

ヤス「めっちゃやられてるやんけ」

ケン「うわ〜。本間に痛そうやなぁ」

テル「大丈夫ですよ。今からバッチリリベンジしてきますから!!!」

真美「リベンジ行くん!?」

テル「当たり前やん!原チャもやられてるから絶対に許さん」

真美「男ってほんまに争いが好きやなぁ…」

ヤス「早く行くぞ。なんやかんやですぐに夜中になるで」

テル「せやな。とりあえず行ってくるわ。また明日電話する!」

真美「はいはい」

ケン「次はヤスの家か?」

ヤス「お願いしまっす!」



リベンジまであと5時間…。


第17話へ

第2章 『没頭』 第17話

ケン「次はヤスの家か?」

ヤス「お願いしまっす!」

ケン「三宮のどの辺や?」

ヤス「山幹をず〜っと行って…」



今のうちに頭を整理しておこう。

ヤスの家で決行用の服に着替えるとして、今は夜の9時。
決行は夜中の2時くらいに決めているから、12時くらいにマサを呼べばいいか。


テル「とりあえず12時位にマサを呼ぶで」

ヤス「マサって一緒にやられた子?」

テル「そうそう。甲子園に住んでるから三宮まで1時間もかからんはず」

ヤス「三宮に呼んでも芦屋までどうやって行くん?」

テル「俺の原チャで2ケツ!」

ヤス「気合いやなぁ。結構遠いで〜」

テル「追いかけられても関係ない。今日の俺は切れとうし」

ヤス「なかなか面白い事になりそうやんけ」



決行までの段取りは決まってきたが、肝心のリベンジの内容がまだ白紙だ。


テル「どうやって原チャつぶそっか?」

ヤス「とりあえず外装を破壊!」

テル「そんなん普通すぎるわ」

ヤス「次にブレーキケーブルを切って、原チャを溝に蹴り落とす」

テル「なんかもっと激しいの無いのん?」

ヤス「あほか。長くても10秒くらいで終わらせんと面倒な事になるで」

テル「そうやなぁ…」

ヤス「ちなみに爆発系はやらんほうがええで。ポリも本腰いれて捜査するし」

テル「それはますます面倒やなぁ。じゃあとりあえずさっきの流れで行くかぁ」

ヤス「外装がボロボロになるだけでもかなりのダメージやと思うで」

テル「まぁな〜。でもまた誰かの奴盗んで付けるであいつら」

ヤス「だからブレーキのケーブルも切るんやんけ」

テル「確かに交換するのはかなり面倒くさそうやしなぁ」

ヤス「とどめの溝落としも精神的に効くはずやで」

テル「俺やったら絶句するやろうなぁ」

ヤス「じゃあ溝落としは3人でせ〜の!で蹴るか(笑)」

テル「それ採用!!!」



ケン「お〜いどの辺や?」

ヤス「そこ左っす!で一つ目の角を左でお願いします」

ケン「これを左であの角を左〜」



リベンジまであと4時間…


第18話へ

第2章 『没頭』 第18話

ヤス「ここです!」

ケン「ここかぁ。ちょっと分かりにくいなぁ」

ヤス「慣れっすよ♪じゃあまた連絡します!」

テル「本間に助かりました!ありがとうございました」

ケン「おう!また今度ゆっくりな」

テル「ういっす!」

ケン「じゃあの」

ヤス「お疲れっした!」



ケンさんと別れ、ヤスの家に入る。


ヤス「とりあえずテルはこのジャージな」

テル「うわ…。ちょっとでかいなぁ」

ヤス「気合いじゃ」

テル「気合い入れても俺の身長はでかくならへんわ」

ヤス「気合い!」

テル「めちゃくちゃ言うなぁ」

ヤス「じゃあ自分の服着ていくんか?」

テル「いや、それは足が付くから遠慮しときます」

ヤス「じゃあ気合いで着るんじゃ」



何事も気合いという表現で乗り切ろうというのも非常に不思議ではあるが、
当時は本当に気合いという表現が多かった。
今考えれば全く意味不明なのだが、何か通じる物があったのだろう。


ヤス「とりあえずマサって子を呼んどいた方がええんちゃう?」

テル「せやなぁ。今から呼んだら結構いい時間になるし電車の時間もあるし」

ヤス「まず合流せんと作戦会議もできへんやろ」

テル「じゃあ呼ぶで」



マサ「もし?」

テル「とりあえず三宮に出て来れる???」

マサ「そりゃあ出れるけど、芦屋までどうやって行くん?」

テル「2ケツ!」

マサ「三宮から〜!?」

テル「気合いじゃ!」

マサ「お前の運転で芦屋まで行く事の方がリベンジよりよっぽど…」

テル「そこから先は言ったらあかん(笑)」

マサ「まぁそれは冗談やけど、とりあえず行ったらええんやな?」

テル「おう。あんまり普段着るような服とか着てきたらあかんで」

マサ「せやな。その辺は適当に考えて行くわ」

テル「じゃあ駅まで迎えに行くから、着くちょっと前くらいに電話してや」

マサ「はいよ」



あと1時間ほどで役者は揃う。

それにいてもずっと気になっている事があった。
治安がいいはずの芦屋の山側にどうしてあのような輩がいたのだろうか…。


テル「そういえばさぁ、芦屋って何かの族がおるん?」

ヤス「芦屋?いやぁ、あんまり聞いた事ないけどなぁ」

テル「じゃああいつらは一体何なんやろか」

ヤス「西宮とかアマ(尼崎の通称)とつるんでるんちゃうかぁ」

テル「アマやったらややこい(ややこしい)よなぁ」

ヤス「よう知っとうやん。アマともめたらめっちゃ面倒くさいで〜」

テル「マサの彼女がアマの何とかっていう族の頭の元カノ(彼女)らしいねん」

ヤス「またややこしい女と引っ付いたなぁ…」

テル「たまたまやけどな ( ̄∇ ̄;)」

ヤス「何となくどこの族が分かるわ。アマと言えばあそこやろ」

テル「めっちゃ有名なん?」

ヤス「めっちゃ有名…」

テル「まさかそこと関係あるって事ないよなぁ」

ヤス「あるかも知れんけど、俺らの正体さえバレんかったら関係ない」

テル「まぁそらそうやけど」

ヤス「気合いじゃ!」



リベンジまであと3時間…

第19話へ

第2章 『没頭』 第19話

テル「そういえばそろそろマサが到着するはずやなぁ」

ヤス「じゃあいつでも出れるようにしとくか。はいタオル」

テル「タオルを顔に巻くんけ?」

ヤス「フルフェイスもいいけど、視界が狭くなってリスク高いからな」

テル「タオル巻いたら怪しさ満開やな(笑)」

ヤス「顔を見られるよりマシや」



電話だ!


テル「着いたかぁ〜」

マサ「おお着いたで。とりあえず阪急に近い方に出たけどええか?」

テル「じゃあロータリーで待っといて。ヤスと迎えにいくわ」

マサ「はいよ」



ヤス「ほな行こか〜」

テル「おっしゃ!!!」



意気揚々とマサが待つ三宮駅へと向かう。
タオルを首に巻きつけ、こみ上げてくる興奮を抑えるのが大変だ。


お前ら覚悟しとけよ!


心の中で何度も何度も叫んだ。


大切な原チャの部品を盗み、自分達が原因であるにも関わらず壊れた原チャに因縁を付けて一方的に暴行。しかも何事も無かったかのようにその場を去っていったのだ。

一方的にやられたのは制服を着ていて、さらに学校近辺であったからに他ならない。


プップ〜♪


テル「マサこっちや!」

マサ「おう!って何でノーヘルやねん!?」

テル「どうせ2ケツ(2人乗り)するんやから追いかけられる事に変わりないやん」

マサ「なんや気合い入っとうやんけ〜」

テル「当たり前やん。マサは普通け?」

マサ「あほか。めちゃめちゃ殺す気満々じゃ!」

テル「あれ?そういえば二人は初対面やんな?」

ヤス「当たり前じゃ」

マサ「ういっす。いっつもテルから噂は聞いとうで」

ヤス「どんな噂しとんねん」

テル「あんな事やこんな事やん」

ヤス「どうせろくでもない事を吹き込んでるやろ」

マサ「間違いないな」

テル「ヤスはかっこよくて強くて憧れの存在で…」

ヤス「嘘付け!」

テル「よう分かったな(笑)まぁ強くてヤンチャって感じや」

マサ「なんかイメージ通りな雰囲気してるわ」

ヤス「ふ〜ん。まぁええわ、こっから芦屋まで遠いから気合いやで」

テル「今日はパッツン(パトカー)が来ても無視するから余裕や」

ヤス「無視かい(笑)最悪の場合、俺がパッツンを誘ってどっか行くから」

テル「俺らはそのまま芦屋に直行って事やな」

ヤス「もしはぐれたら、原チャ回収した芦屋のマクド前で」

テル「はいよ〜」



気合いが入っているとしても、パッツンに追いかけられて無駄な時間を使う余裕が今日はない事をヤスはよく分かっていた。
興奮しながらも、車がほとんど通らない小道をうまく選んで芦屋まで誘導していた。


テル「なんでこんなに道に詳しいねん?」

ヤス「何歳から原チャに乗ってると思ってんねん」

マサ「何歳なん?」

ヤス「小4!」

テル「はいやりすぎ〜」

マサ「次元が違うな…」

ヤス「西宮くらいまでならめっちゃ知ってるで」



ヤスが誘導する道は、ただ知っているだけではなく本当に理想的であった。

人通りがほとんど無く、車も通らないが意外と道幅が広い。
万が一警察と遭遇してもUターンできる余裕があり、さらに曲がり角が多くあるので撒きやすいのだ。


ヤス「もう芦屋に入ったで〜」

テル「じゃあ俺らが分かる場所に出なあかんな」

ヤス「どこやったら分かる?」

マサ「芦屋の駅周辺やったら大体分かるで」

ヤス「おっしゃ。じゃあこの辺から上に曲がるか」

テル「ドンだけ詳しいねん(汗)」



ドンピシャだった…。


ヤス「ここが駅やろ?」

テル「お前すごいなぁ…。なんかワープしたみたいやわ」

ヤス「関心しとらんと次はテルが誘導してや」

テル「どの辺やったっけ?」

マサ「ここずっと上や」

ヤス「テルは方向音痴か(笑)」

テル「ちゃうって(汗)夜って分かりにくいからさぁ…」

マサ「若干方向音痴やな」

テル「うるさいな〜」



リベンジまであと1時間…

第20話へ

第2章 『没頭』 第20話

マサ「じゃあこのまま学校付近まで上に上がって」

テル「なんとなく思い出してきたぞ〜」

ヤス「やっぱり分かってへんかったやろ(笑)」

テル「ちゃうって(汗)」



そうこうしている間に学校のすぐ近くまで到着した。


マサ「ここから3分くらいで現場に着くで」

ヤス「ほんなら原チャを破壊する何かを探すか」

テル「何かって?」

ヤス「原チャで運べてその辺に転がってそうな破壊力がある何かや」

マサ「難しいなぁ…」

テル「じゃあコンクリートのブロックとかは?」

ヤス「そんなんどこにあんねん?」

テル「駐車場とかに転がってそうやん」

マサ「この辺に駐車場ってあるかぁ?」

テル「駅の近くにあるやろ」

ヤス「よっしゃ採用!じゃあ駐車場探すぞ」



駅に向かうため少し道を戻り、駐車場を探した。


テル「あそこ駐車場やで!」

マサ「おお。めっちゃ転がってそうやん」

ヤス「2台とも駐車場に入ったらリスク高いから、入り口で見張りしといて」

テル「はいよ〜」



ヤスが一人で駐車場に入って行く。
原チャを降りてゴソゴソしている所を見ると、何かを発見したようだ。


ヤス「おっしゃ行くぞ」

テル「いいやつあったん?」

ヤス「おお。とりあえず二ついただいてきた」

マサ「二つでいいん?」

ヤス「一人は2台の原チャをすぐに発進できる状態にしとかなあかんやろ」

テル「さすが先を読んでますなぁ」

ヤス「下手打ったらめんどくさいから、こういう時こそ冷静にやらな」

マサ「本間に手馴れてるよなぁ…」

テル「ヤスはこんな事ばっかり考えて生きとるんやわ」

ヤス「人聞き悪い事言うなぁ…。ちゃんと女の事も考えてるわ」

マサ「はっはっは!」

テル「そんな事は聞いてへんわ!」


武器?も無事に入手し、ついに現場に向かう。


リベンジまであと20分…

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