第2章 『没頭』 第31話

あっという間に黒ベンツが単車の1メートルほど後ろにピッタリとくっついた。

狩り「こらクソガキ止まらんかいボケが〜!!!」


ヘッドライトはハイビーム、後ろを振り返ると目の前にスーツ姿の怖そうな人が運転しているのが見える。かなり近い!

どうやら助手席にも後部座席にもそれっぽい黒ずくめの人がいるようで、もしも捕まったらとんでもない事になるのは容易に想像できる。


テル「めっちゃ人乗ってんで!?」

ヤス「おおやばいな。とりあえず撒き道に入るから落ちるなよ」



三宮はヤスにとって庭のような場所であり、細い入り組んだ道も全て把握している。
そういう面ではこれ以上心強いやつはいないだろう。

それにしても警察に追いかけられるのとは全く違うこの感覚は、背筋が凍るような恐怖があって体中から変な汗が出てくるのが分かる。
暴走族にとって警察以外にも天敵がいたとは全く知らなかった。


どんどんと繁華街から離れ、信号無視を繰り返しながら細い路地へと入っていく。
小回りがきく単車とは違い、ベンツは徐々に離れていく。


ヤス「ここに入ったらもうこっちのもんやで」


完璧ともいえる撒き方は拍手を送りたくなったが、もちろん心境はそれどころではない。


ヤス「そろそろ公園でも入って時間つぶすか…」

テル「そうやなぁ、ちょっと身を潜めるのがよさそうやな」

ヤス「じゃあ宮本の神社に行くか」



公園に着いて単車から降りると、ひざに力が入っていない。
全身の力が抜けてその場に座り込んでしまった。


テル「ベンツに追いかけられたらかなりビビルなぁ…」

ヤス「特に普通のチンピラとかじゃなくて本物やからな(笑)」

テル「あんなん捕まったら終わりやな」

ヤス「ドラム缶にコンクリート詰めされて海にポイってか(爆)」

テル「あほか、全然笑えへんし」

ヤス「さすがにそこまでは無いやろうけど、まともに帰してはくれへんわな」



「おいお前ら!こんな所で何しとんじゃ」


( ̄△ ̄;)エッ・・?


さっきのベンツに乗ってた人!?と一瞬頭が白くなったが、振り返ってその心配は無くなった。近所の交番の警官だ。

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