第3章 『暴走』 第24話

ヤス「ちっ。また来たな…」

テル「あ…いつの間に」


存在感を完全に消していたようだ。

3台がピッタリと集団の後ろに付いている。


ヤス「さぁケツ持ち部隊のお仕事しにいきますか〜」

テル「俺が運転か〜」


「一気にまくぞ〜!!!」


どこからともなく聞こえたかと思うと、単車が一気に加速をはじめた。


ヤス「こっから当分、脇道がない橋に入るから、みんなが離れるまでケツ持ちや」

テル「なるほど、俺らがおったら前に出れへんからやな」

ヤス「とにかく前に出られんかったら何とでもなる。原チャが4台おるから余裕やろ」

テル「取りあえず邪魔しといたらええんやな」


そうこうしているうちに片側3車線の大きな道路に入り、今まで静かに追従していたパトカーが一斉にサイレンを鳴らし、原チャの間を通り抜けようという激しい動きへと変わった。


ヤス「俺が後ろ向きながらパッツンに合わせて原チャコントロールするから、周りの原チャ連中との距離感とか見とけよ」

テル「はいよっ」


さすがに脇道がない3車線とは言え、原チャ4台が横一列に並んでいるとパトカーは前に出られない。
パトカー1台あたり最低3人は警察官が乗り込んでいるようで、窓から身を乗り出して写真を撮ったり何かを叫んだりしている。
拡声器を使ってかなりの暴言も吐いているが、それらの声に反応する訳もなく、淡々と前方の単車軍団が離れていくのを待つ。

しかしその時からテルは、ちょっとした異変を感じていた。


テル「なんかパワー感が無くなってるような気がすんねんけど」

ヤス「なんて?あんまり聞こえへん」

テル「気のせいかな…」


色々と改造しているヤスの原チャにとって40km/h程度は全然余裕がある速度なのだが、いつもよりアクセルを多く開いている気がする。

橋の真ん中あたりまで進んだ所で、他の原チャ軍団が前方に向かって右手を振っている。


ヤス「ケツ持ち終了や。あいつらも加速しはじめるから、パッツンに前に出られん程度に加速して付いていけよ」

テル「お、おう…」


原チャ軍団もヤスと同じようにそれなりに改造しているため、軽く60km/hを超える速度まで加速を始めた。
テルも同じように加速をしようとアクセル全開にしたが、やはりいつもの加速感が無い。


ヤス「おい遊びは終わりやっ!!!はやく付いていけって!」

テル「ちゃうねん、全開にしてるんやって(汗)」

ヤス「うそやん!?」


何かおかしいと感じたのか、ここぞとばかりにパトカーが隙間を狙って加速してきた。


ヤス「そうはさせるかボケ〜!」


右の隙間を狙ってきたら原チャを一気に右へ振り、そのせいで手薄になる左側を次の一台が狙ってくるので慌てて左へ振り、たった数十秒のやり取りが異様に長く感じた。

こちらの異変を察知してくれたのか、先行していた原チャ軍団の2台が速度を落として合流した。かに見えた…。


「お前ら遊んどったらパクられる(捕まる)ぞ〜(笑)」


と言い残し、またすぐに加速して離れていく。


テル「ちゃうんです、全開にしてるけど速度出なくて…」


テルの声は届かず、原チャ1台VSパトカー3台の構図は継続となった。

っとその時だった。


ヤス「あかんっ!!!」


一瞬の隙をついて、パトカー1台が前に抜けだした。


テル「うわっ!?」


すぐに車体を横に向けて急停止し、進路を塞ぐと同時に警察官が一気に降パトカーから降りはじめる。


ヤス「よけろぉぉぉぉ!」

テル「うぉぉぉぉ!」

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