第2章 『没頭』 第49話

ヤス「このアホたれがぁ!」


テル「おおヤスやんか!あれ?さっきまで電話でしゃべってたよなぁ」


ヤス「お前もうあかんわ。ええからケツに乗れ!!!」



ヤスは強引にテルの服を引っ張り、原チャの後ろに座らせた。



テル「ヤス〜、どこ行くん?」


ヤス「六甲じゃ」


テル「おおお!めっちゃ楽しいなぁ♪」



今思えば、あの時の精神状態は泥酔状態と同じだったように思う。


とにかく別れたという事実を考えたくないため、頭が自らの意思で酔ったような感覚に陥らせたのだろう。
もしはっきりとした意識があったとすると、本当にどうなっていたか分からない。



一人で乗っていてもあまり速度が出ない、きつい上り坂を二人乗りで上がっていく。



テル「ヤス〜、めっちゃ遅いなぁ」


ヤス「さすがに六甲を二ケツで上がるんはきっついか…」


テル「でも気合やろ!?」


ヤス「当たり前やんけ」



展望台に近付くに伴い、どんどん空気が冷えてくる。



テル「めっちゃ空気が気持ちええわぁ」


ヤス「おっさん、どうでもええけど落ちるなよ」


テル「おおお!六甲最高やぁ〜」



展望台に付くなり、ヤスは神戸を見下ろせる場所へテルを強引に連れて行った。



ヤス「おやじ〜、すまぁん!!!」



いきなりヤスが大声で叫んだ。



テル「なんで親父さんに謝ったん?」


ヤス「そんなん俺がこんな感じやからに決まってるやんけ」


テル「へぇ〜。ヤスにもそういう気持ちがあるんやなぁ」


ヤス「あるっちゅうねん。はよお前も叫ばんかい」


テル「俺も叫ぶん?」


ヤス「当たり前やんけ。何の為にここに連れてきたと思ってんねん」


テル「はあ〜?本気でゆってんの???」


ヤス「ええからはよ叫べって」



何を叫んだらいいんだろう。
別にまだ親父に謝るような気持ちは無いし、かといって大声で叫ぼうと思うような言葉は何も思いつかない。


いや…ある。


正直な自分の気持ちはこれしかない。



テル「なんでやね〜〜〜〜ん!!!」


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