第3章 『暴走』 第4話
ヤス「あかんっ!!!」
テル「えっ?」
後ろを振り向くと、猛スピードでクラクションを鳴らしながらこっちへ
黒光りした車が近付いてくる…。
ヤス「狩りや!絶対落ちんなよ!!!」
テル「うっそやん、めっちゃヤ○ザ屋さんですやんか〜(涙)」
ヤス「できるだけ後ろ見んなよ!顔バレしたら、後でめんどくさいぞ!!!」
テル「ぬおお。めっちゃ近い…」
狩りの車の先端が、今にも原チャに当たりそうなほどベタベタに近付いている。
これが映画のワンシーンなら、ボンネットに飛び移って中の人間をやっつけるか
車を事故に導いて自分は飛び降りて助かるといったシーンなんだろうなぁと
意味の無い回想をしてみる。
ヤス「とりあえず43(ヨンサン)やから、不幸中の幸いや」
テル「なんでや!全然小道に逃げられへんやんけ」
ヤス「この逃げ方、前もやったやろ!」
といった途端、ヤスがとった行動は歩道の逆走だった。
テル「おお!こないだマサミチとかと走った時に使った奴やな!」
ヤス「国道はこれに限る。」
黒光りの車は急停止し、中にいた数人が車から降りてこっちを見ている。
ヤス「あれに連れて行かれたら、本間にエライコトになるで〜」
テル「おお…。想像したくもないわ」
ヤス「まだ当ててこんかっただけでもマシやな」
テル「当てられたら終わりですやん」
ヤス「まぁ今日は、おとなしく小道で帰ろか」
どうもヤンチャな乗り方をしていると、こういうトラブルが付き物らしい。
つい先日も、ヤスの後輩のバブ(HAWK2)で黒光りのベンツに追いかけられた
ばっかりだ…。
こういう世界の人間と一緒にいないと知りえない事であったが、当てられるのだけは
勘弁してほしいと心から思った瞬間であった。
ヤス「大体、ああいう事をやってくる奴は元々ヤンチャしとった人ばっかやわ」
テル「自分らもやっとったのに狩りをするって事かいな?」
ヤス「追いかけるだけの面白半分もおるし、頭おかしい奴は当ててくるし」
テル「どっちにしても最悪やな」
ヤス「中には本気で狂ってる奴がおるからなぁ。そういう時は死ぬ気で逃げるこっちゃ」
テル「言われんでもそうすると思うわ…」
今までのイメージでは、こういった世界において自分の身に危害が及ぶのは「けんか」と
「事故」だけだと思っていたが、新たに「狩り」という物がある事を改めて痛感した。
ヤス「さぁ、週末の追悼が楽しみやの〜♪」
テル「…。」
楽しみだった追悼が、何となく不安になってきたテルであった。
- 2011.09.27 Tuesday
- 第3章 『暴走』
- 23:39
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- by カーライフプロデューサー 山本照久




